ダイレクト・リスティングとは? 資金調達はIPOの目的ではない!?

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スウェーデンの音楽配信会社『Spotify(スポティファイ)』のIPO(Initial Public Offeringの略:新規株式公開)が話題になっています。Spotifyは、2018年ニューヨーク証券取引所(NYSE)に「ダイレクト・リスティング(direct listing)」を行うというのです。

通常のIPOの場合には、新しく上場する(市場に公開する)株式を引き受ける証券会社を決め、投資家から売り出し価格の調査を行い……という手順を踏みます。

しかし、ダイレクト・リスティングは「直接上場」という意味。通常の手順は全部すっ飛ばして、株式市場へいきなり上場されます。そもそも上場の目的が「社員や株式を保有している人が市場でSpotifyの株式を自由に売買できるように」というものなのです。

一般にIPOを行う目的は次の2つに集約されます。

①市場から資金を調達すること
②会社の認知度を上げること

Spotifyの場合、①でもなく、十分に知られた会社であるために②にも当てはまりません。

仲介を行う証券会社には手数料などのお金が落ちませんが、株式を持つ社員は、引受手数料などのお金を支払うことなく、市場でその株式を売却、お金を得ることができます。

Spotifyのダイレクト・リスティングがうまくいけば、後に続く企業が出てくる可能性があります。

ただし、このSpotifyという会社はずっと赤字です。『MONEY MORNING』の記事によれば、2009-2015年まで赤字が積み上がっており、2015年の赤字額はなんと1億7,300万ドル(195億4,900万円:1ドル113円で計算)! 同記事内でも「赤字が積み上がった後ではIPOに魅力はない」といわれています。まあ……そうでしょうね。

⇒引用元記事:『MONEY MORNING』「The Spotify IPO Will Launch on the NYSE, but There’s a Better Profit Play」
https://moneymorning.com/2017/05/19/the-spotify-ipo-will-launch-on-the-nyse-but-theres-a-better-profit-play/

追記
2018年04月03日(アメリカ時間)、実際にSpotifyはNYSE(ニューヨーク証券取引所)にダイレクト・リスティングによる上場を果たしました。以下を参照してください。

⇒参照記事:『Money1』「『Spotify』ついにダイレクト・リスティングで上場! 初日は下落」
https://money1.jp/?p=3752

(柏ケミカル@dcp)

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