2020年12月16日、韓国の『大宇造船海洋』が、「大韓民国技術大賞」「世界一流商品」「今年の10大機械技術」に選定され「対外技術賞」を受賞したとのこと。
おめでたいことかもしれませんが、「大韓民国技術大賞」に選ばれたのが「DSME 1,400トン級潜水艦」だというので……これは見逃せません。
この潜水艦は、インドネシア海軍が2011年に韓国と契約を結び、全12隻を建造する予定だったものです。1隻当たり3億5,000万ドルでまず3隻が発注されました。最初の2隻は『大宇造船海洋』で建造され、3隻目は『PT PAL造船所』でインドネシアの専門家・チームによって造られ、その過程で技術移転がされるという話でした。
ところが、3隻目の建造が終わった時点で4隻目以降の話がぱたっとなくなりました。
先に高英起先生の記事が出たので、知っている方もいらっしゃるでしょうが、この潜水艦の性能がインドネシア国会で批判され、プラボウォ国防相(Prabowo)が「莫大な予算をかけたのに、潜水艦の性能にはいささか失望している」と述べたのです。これは『CNBCインドネシア』の以下の記事で確認できます。
⇒参照・引用元:『CNBCインドネシア』「プラボウォはインドネシア製の潜水艦に失望していると言われていますが、どうしてですか?」
↑『PT PAL造船所』で建造された潜水艦。PHOTO(C)『PT PAL』
インドネシアのメディアを当たってみると、
潜行能力がスペックと違って低い
韓国からの技術移転が十分ではない
などの点で失望しているようです。で、4番艦以降は白紙になっているとのこと。インドネシアはフランスやロシアから潜水艦について打診を受けているという話も流れています。
韓国にとっては初の潜水艦の輸出だったかもしれませんが、「大韓民国技術大賞」といった大それた賞を授与して大丈夫でしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)