2020年12月24日、韓国政府は「9次電力需給基本計画」が公表されました。クリーンエネルギー政策を推進する文在寅大統領は「2050年にはカーボンニュートラルを実現する」と宣言しています。
しかし、今回の計画を見るとかなりの無理スジであることが分かります。
太陽光、風力などの再生可能エネルギー発電の容量を以下のように大幅に増やさないといけないのです。
再生可能エネルギー発電の電力容量
2020年:20.1GW
2030年:58GW
2034年:77.8GW
2020年:20.1GW
2030年:58GW
2034年:77.8GW
2021年から14年かかって再生可能エネルギーの発電容量を「約3.9倍」にするとなっています。識者からはこの時点で「現実的ではない」と指摘されているのですが、これをさらに推進し、
2050年:再生可能エネルギーの発電量を発電量全体の80%まで高める
というのです。太陽光、風力を利用するので安定した発電は期待できません。そのため、大規模なエネルギー貯蔵設備(ESS:Energy Storage Systemの略)が必要ですし、発電施設を送電網に接続するための設備も新設しなければなりません。
先にご紹介したように、現在韓国の太陽光発電施設の1/3は送電網に接続されていないという間抜けな事態になっています。これはお金とやる気がないからです。そもそも、このようなESSなどのバックボーンの構築だけで約300兆ウォン(約28兆2,300億ウォン)かかると目されています。
これだけの資金をどうやって捻出するのかという話もありますが、そもそも本当に実行できる計画なのかが問題です。絵に描いた餅ではないでしょうか。
⇒参照・引用元:『ソウル経済』「2050年までに再生可能インフラの拡充に300兆かかる」
(吉田ハンチング@dcp)