韓国の物流大乱が終わります。
2022年12月09日、『民主労総公共運輸労組貨物連帯本部』(貨物連帯)で投票が行われ、無期限総ストライキの撤回が決まりました。
ストライキは15日をもって終了。
ドライバーの皆さんは仕事に復帰です。
今回のストライキはそもそもが「安全運賃制の期限をなくし常法とせよ」という要求から発したものでした。これに安全運賃制の適用品目を拡大、運賃を上げろという要求が付随しました。
しかし、韓国政府の回答は「3年の再延長は認めてもいい」でした(2022年11月22日時点での提案)。
貨物連帯側はストに突入したものの、政府が一歩も退かず、日々強硬な態度になっていきましたので、ついに貨物連帯側が折れざるを得なくなったのです。
民主労総の敗北です。
傑作なのは、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権を揺さぶるのに使えるので民主労総側を支援していた『共に民主党』は、ストライキが国民からそっぽを向かれていることを感知して態度を豹変させています(笑)。
「安全運賃制の継続と経済的被害最小化のために、政府与党が提示した『品目拡大のない安全運賃制3年延長案』を受け入れる」と表明したのです。
「ざまあ」とは、このような時に使う言葉でしょう。
韓国メディア『NEWSIS』は本件を報じる記事の最後に以下のように書いています。
(前略)
貨物連帯は声明を出し、「組合員の被害を最小限に抑え、強硬弾圧で一貫する政府の態度の変化を促すために難しい決定を下した」とし「政府と与党も党政協議を通じて発表した安全運賃制の3年延長約束を守れ」と促した。
(後略)
「政府も安全運賃制の3年の延長を守れよ」は完全に捨てゼリフ。
まさに「今日はこれぐらいにしといたらぁ」です。
尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は日和らずによくやり抜きました。ポンコツ左派の文在寅前政権との違いを見せつけたといえるでしょう。
※ただし、元喜龍(ウォン・ヒリョン)国土交通部長官は09日に「安全運賃制の3年延長提案は無効になった」としています。政府側は貨物連帯の不法輸送拒否に頭にきているのです。
(吉田ハンチング@dcp)