事実上破綻した韓国『双竜自動車』についてです。ソウル回生裁判所が手続きに入るまで2カ月を切りました。
韓国内債権団の主力である国策銀行『産業銀行』が、75%の株式を保有するオーナー企業インドの『マヒンドラ&マヒンドラ』と対立していることが明らかになりました。
韓国メディア『毎日経済』の記事によると、新たな資金援助の条件として『産業銀行』が、
・新規借入金の満期を過去の借入金の満期より先に設定する
を要求しているとのこと。
これまで『双竜自動車』を冷淡に扱ってきた韓国内債権団がなぜか180度方針転換し、『双竜自動車』の回生へ動き出しています。しかし、この要求は無茶苦茶です。
要は、韓国内債権団がお金を出すから『マヒンドラ&マヒンドラ』に逃げるな、といっているのです。
先にご紹介したことがありますが、『バンク・オブ・アメリカ』(バンカメ!)などの外資系金融機関が『双竜自動車』に「3,899億ウォン」を貸し付けており、その条件は「『マヒンドラ&マヒンドラ』が51%の支配権を持つこと」です。
もし、この条件が割られた場合は、この借入金がスグに引き上げられます。そうなると『双竜自動車』は回生もナニも一気におしまいです。
ですから、韓国内の債権団としては『マヒンドラ&マヒンドラ』に「51%を割るまで株式を売却されるわけにはいかない」のです。
しかし、これまた先にご紹介したとおり、『マヒンドラ&マヒンドラ』はすでに「保有株式比率を30%以下に下げる」と宣言しています(パワン・ゴエンカ社長談/インドメディアによる)。つまり、このような虫のいい要求を『マヒンドラ&マヒンドラ』が飲むわけありません。
なにせ2011年に(よせばいいのに)『双竜自動車』にここまで「6,925億ウォン」を投入しましたが、『双竜自動車』は9年間一度も株主配当を出していません。『マヒンドラ&マヒンドラ』はさっさと株式を売却して足抜けしたいのです。
「新規借入金の満期を過去の借入金の満期より先に設定する」という条件については、さらに厚顔無恥な要求といえます。つまり、自分たちが新たに出す資金の満期を先にして、過去の債務より先にお金を回収しようというのです。鉄面皮な要求という他ありません。
『マヒンドラ&マヒンドラ』としては韓国企業、いや韓国(国策銀行がこんなことを言い出すのですから!)に関わってしまった身の不幸を嘆くべきでしょう。もう全株式を売却したらいかがでしょうか。バンカメ他の外資系金融機関が『双竜自動車』をついばんで骨も残らないように処理してくれるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)