中国の「国家外貨管理局」は2020年12月の外貨準備高を公表しました。
以下になります。
外汇储备……3兆2,165.22億ドル
(Foreign currency reserves)
対前月比:380.32億ドル増加
基金组织储备头寸……107.65億ドル
(IMF reserve position)
対前月比:9.34億ドル増加
特别提款权……114.95億ドル
(SDRs)
対前月比:1.30億ドル増加
黄金……1,182.46億ドル
(Gold)
対前月比:78.34億ドル増加
其他储备资产……-4.99億ドル
(Other reserve assets)
対前月比:0.27億ドル減少
計:3兆3,565.29億ドル
対前月比:433.41億ドル増加
というわけでForeign currency reserves(外汇储备)は380.32億ドルも増加しました。11月には「505.08億ドル」増やしましたので、11・12月で計「885.40億ドル」(約9兆1,974億円)の増加です。
2020年01~12月までの推移を見ると以下のようになります。
中国の外貨準備は12月に2020年の最高額を更新しました。IMFリザーブポジンション・金なども含めれば合計「3兆3,565.29億ドル」です(韓国ではこの合計を外貨準備として公表しています)。
巨額の外貨準備ですが、問題は、対外債務を考慮した際に、この外貨準備高で足りるのかという点です。
中国の対外債務は2020年09月時点で「2兆2,944億ドル」あります。いわゆる「真水」を考えるなら、以下のようになります。
対外債務(09月時点):2兆2,944億ドル
外貨準備-対外債務:8,842億ドル
例えば台湾メディアなどで「資産から負債を引くとすでに1兆ドルを切っている」と指摘しているのは、上記のような計算をしてのことです。外貨準備というのは資産だけしか見ていませんので、いくらが適正な水準なのかは、その国の輸出入の規模、対外負債などを勘案する必要があるのです。
で、先にご紹介したとおり、中国の対外債務は増加しており、また内需で回せる経済ではないため、「外貨準備が3兆ドルを切ると危ない」といわれています。
(柏ケミカル@dcp)