アメリカ合衆国の『ウルフパック・リサーチ(Wolfpack Research)』がまたやりました! 中国企業の嘘を暴き、撃沈させたのです。
同社は上場企業のデューデリジェンスに真価を発揮する投資集団です。「中国のNetflix(ネットフリックス)」と称される大手動画配信サイト『愛奇芸(iQIYI)』の売上粉飾を見抜いたのも『ウルフパック・リサーチ』です。
中国企業『イーハン』は売上を粉飾している!
今回『ウルフパック・リサーチ』のターゲットになったのは、合衆国NASDAQに上場した中国企業『E-Hang(イーハン)』(億航)です。この『イーハン』は、自律型航空機、いわゆるドローンを製造・開発・販売する企業です。
『ウルフパック・リサーチ』のリポートによれば、『イーハン』の売上は、同社の株価を釣り上げてることが目的と推測できる『Shanghai Kunxiang Intelligent Technology Co.、Ltd』(以下『上海クンシャン』と記載)という会社によってもたらされています。
『ウルフパック・リサーチ』が調べてみると、この『上海クンシャン』のWebサイトに書かれた3つの住所は、
2.13階と書かれているのに、そのビルは実際には11階建て
3.平日の午後だというのに従業員は一人しかなかった
とのこと。
『イーハン』の主要顧客『上海クンシャン』とはペーパーカンパニーに過ぎず、つまり『イーハン』は架空契約を結んで売上を粉飾している――と指摘したのです。
以下の点も注目ポイントです。
『上海クンシャン』は、『イーハン』と4億5,000万人民元(約6,500万ドル)の売買契約を結ぶわずか9日前に設立されました。
『上海クンシャン』の登録資本は1,000万人民元(約140万ドル)に過ぎません。資本が非常に少なく、このような売買契約を実際に履行することはできません。
それにもかかわらず、『上海クンシャン』は4か月後に『イーハン』とさらに3,000万人民元(約430万ドル)の契約を締結しました。
そんなお金のない会社が、大金を支払わなければならない契約を結べるはずがありません。つまり架空契約です。ではなぜ契約を結んだフリをするのか?
株価を上げたいからに他なりません。
『ウルフパック・リサーチ』は以下の点も指摘しています。
『上海クンシャン』の同じ財務マネージャーによると、同社は『イーハン』に1億人民元(約1,400万ドル)のIPO前投資を行っています。
(後略)
『ウルフパック・リサーチ』によれば、株価を釣り上げて、その上で株式を売却して利益を得る――そのようなスキームで動いている詐欺というわけです。
韓国にも衝撃の余波! 前ソウル市長が金を投じていた!
傑作なのは、この衝撃の余波が韓国を揺さぶっていることです。
怪死した前ソウル市長、朴元淳(パク・ウォンスン)さんがこの『イーハン』からドローンタクシーを4億ウォンで購入しているのです。
「Kドローン」と称してお米を積んで空飛ぶタクシーのデモを行った件を、Money1でもご紹介したことがありましたが、あれが『イーハン』から買ったものでした。
「Kドローン」というのに「中国製」なのかと失笑を買ったのですが、さらに詐欺を行っている企業のものだったというわけです。
『イーハン』株価大暴落!
『ウルフパック・リサーチ』の報告書によって『イーハン』の株価は以下のようになりました(チャートは『Investing.com』より引用)。
「なんだこりゃ(笑)」な陰線をご覧ください。
2021年02月16日の終値は「46.30ドル」。前日終値が「124.09ドル」でしたので「62.7%」の下落、大暴落です。
もう何度だって言いますが、中国企業なんて上場していようが、どんなに外面が良かろうがロクなものではありません。お金のためなら平気で詐欺でも働くのですから。
⇒参照・引用元:『Wolfpack Research』公式サイト「EHANG: A STOCK PROMOTION DESTINED TO CRASH AND BURN」
(吉田ハンチング@dcp)