2021年03月23日、『韓国銀行』が「2020年知的財産権の貿易収支(暫定版)」を公表しました。これは特許や著作権の使用料などを海外と取引した結果です。
つまり、「特許や著作物などに対する使用料」の、外国からの収入が外国への支払いより多ければ黒字になります。
そもそも国際収支統計の中に「Balance of charges for the use of intellectual property」(知的財産権等使用収支)という項目があって、先にご紹介したことがありますが韓国の場合、海外への支払いの方が多いので慢性的に赤字です。
近年では「K-POP」などを一生懸命輸出していますが、製造業における特許支払いなどが巨額であるためそれでは追いつかないのです。
とりあえず『韓国銀行』の発表を見ますと、2020年の結果は以下のようになっています。
2020年
第1四半期:-6億5,650万ドル
第2四半期:-1億100万ドル
第3四半期:-7億1,830万ドル
第4四半期:-3億9,000万ドル
小計:-18億6,580万ドル(約-2,028億4,978万円)
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2020年知的財産権の貿易収支(暫定)」
また、『韓国銀行』のプレスリリースでは、以下のように述べています。
著作権(Copyright):18億8,500万ドル
その他:-2億1,950万ドル
小計:-18億6,580万ドル(約-2,028億4,978万円)
つまり、製造業、工業などの産業の財産権ではマイナス(海外への支払い)が多いが、著作権では頑張っているんだ――といいたいわけです。
しかし、この数字だけ見て韓国は知的財産権の収支でよくやっていると考えるのは早計です。
というのは、国際収支統計のデータでは「Balance of charges for the use of intellectual property」(知的財産権等使用収支)は、
(-3,298億7,822万円)
上掲の収支合計「約-2,028億4,978万円」より、本当の赤字は約1,270億円も多いのです。つまり、『韓国銀行』のデータは「知的財産権等使用収支」の中から見映えの良い部分を切り出したものです。
(吉田ハンチング@dcp)