韓国『LGエネルギーソリューション』『SKイノベーション』が争っている件ですが、そんなことをしていても仕方がないのに……という話になってきました。
敗訴して「10年間自動車用バッテリーを合衆国内に輸入禁止」となった『SKイノベーション』が定期株主総会を開催。ここで同社は「事業の競争力を格段に下げるレベルの競合他社の要求は受け入れ不可能だ」と明らかにしました。
つまり、勝訴した『LGエネルギーソリューション』が要求しているとされる「3兆ウォン」(約2,880億円)の和解金を支払うことなどできるか!としたわけです。
また、『SKイノベーション』は「営業秘密を侵害したのが本当かどうか、『ITC』(国際貿易委員会)は判断を示していない」と不満たらたらのご様子で、これが韓国メディアでも報じられています。
勝訴した『LGエネルギーソリューション』側は、『SKイノベーション』の不満な様子を見て、「これ以上ムダな議論はせず、判決文の根拠となった営業秘密とその証拠資料を両社で確認しようじゃないか」と余裕の態度を見せています。
この証拠資料は現在は弁護士だけが閲覧可能ですが、両社が合意するなら直接の閲覧が可能とのこと。『LGエネルギーソリューション』の全面勝訴となっていますので、『SKイノベーション』が営業秘密を盗んだと信じるに足る証拠があるものと推測されます。
韓国メディアならずとも証拠資料がどのようなものか、ぜひ見たいところです。
「大統領の拒否権」頼み! 期限は04月10日
また、傑作なのは、金俊(キム・ジュン)『SKイノベーション』代表取締役がこの株主総会に出席せず、合衆国に出張していることです。何をしに合衆国まで出向いたかといいますと、大統領が拒否権を発動するように働きかけるためです。
『ITC』の裁定は、大統領の拒否権発動によって失効することができます。
先にご紹介したようにこれまでに二度、ジョージア州のブライアン・ケンプ知事が大統領に「拒否権発動」を求めて書簡を出していますがどうなるか分かりません。また、『ITC』の裁定を止められる大統領の拒否権発動は「60日以内に行うこと」と定められています。
つまり、期限は2021年04月10日(合衆国の現地時間)です。読者の皆さまもバイデン大統領が拒否権を発動するかどうか、ぜひご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)