小ネタではありますが、一応ここまで付き合ってきましたので結果がどのようなものになるか最後まで見届けます。韓国『双竜自動車』の件です。
法定管理下にある『双竜自動車』ですが、早ければ今週中にも売却に向けての主幹事が決まるとのこと。現在資産調査を行っている『EY会計法人』が担当することになると予測されていますが、『未来アセット証券』なども名乗りを挙げており、まだ決定ではありません。
主幹事が決まれば、『双竜自動車』を主幹事を通じて買収希望法人から意向書を受領。これを基に交渉を開始することになります。
買収の意思は?という話
先にご紹介しましたが、買収の意向を示しているのは、『EDISON MOTORS(エジソンモーターズ)』『バクソクジョンアンドカンパニー(박석전앤컴퍼니)』などといわれています。前者は電気バスを製造・販売している企業で、後者は投資企業です。
ただ、どちらも動かせる資金はそこまで大きくはないと考えられるため、本当に買収できるのかは不透明です。買収の条件も問題です。恐らく「全部はいらない」などの交渉が行われるでしょう。
例えば、韓国メディア『毎日経済』では『HAAHオートモーティブ・ホールディングス』(アメリカ合衆国の自動車ディーラー:中国自動車企業の出資を受けています)もまだ投資を諦めたと表明したわけではない――などと書いていますが、あまり期待しない方が良いのではないでしょうか。
そもそも期日までに投資意向書も提出しなかったわけですから。
資金を投入してくれるかどうかだけが焦点
『双竜自動車』労働組合では「組合でできることはなんでもする」と決意表明をしているのですが、ここまできたら労組にできることはありません。ただ単に資金を投入する者があるかどうかですので。
また、労組は韓国政府に支援を求めるデモを行っていますが、これもあまり意味のあることとは考えられません。何度もご紹介してきたように政府(そして国策銀行『産業銀行』)は、『双竜自動車』を引き受けるという企業が出てきたら考えるというスタンスで、これは2020年から一貫しています。
政府は、『双竜自動車』の買収交渉が進まない限り出てきません。
ですので皆さま、まずは主幹事の選定、次に買収交渉が本当に始まるのかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)