「通常の3倍のスピードだ」というといささかガンダム的な表現ですが、韓国の家計負債の増加速度がGDPの成長速度の3倍であることが分かりました。世界一です。
これは、韓国の経団連といわれる『全国経済人連合会』が2021年07月09日に公表したリポートで詳細に見ることができます。
まず、韓国の家計負債(簡単にいえば家庭が抱えている借金)は「1,936兆ウォン」(『全国経済人連合会』リポートの数字)で、これは対GDP比で100%を超えています。
対GDP比で見ると韓国の家計負債は上掲のように急増しているのです。
同リポートでは以下の事実を突きつけています。
韓国の家計負債の増加速度はGDP成長の最大3倍(前年比:9.5%)
家計負債は民間消費の5倍に近い速度で増加している
増加速度は主要国の中で世界1位
あまり自慢できる世界1位ではありませんが、なってしまったものは仕方ありません。
この事実を踏まえた上で、『全国経済人連合会』は、
(前略)
市場の予想どおり年内に基準金利の引き上げが行われた場合、元利金償還負担の上昇に起因する家計負債の焦げ付きリスクが現実になることがあり得る。ややもすると脆弱階層の債務返済余力を減らしてしまう無理な総量規制政策ではなく、その階層の償還リスクを分散させることができる細心の対策が急がれる
(後略)
全くもってそのとおりの提言ですが、この背景には負債を最も多く増やしたのは、最も所得が低い脆弱層であるという事実があります。
所得が低いので金利が上がって利子払いが増えると、とても耐えられないかもしれない。そのため総量規制などの急ブレーキを踏むべきではない、というわけです。
問題は、せっかくの提言を聞くかどうかです。何度かご紹介しましたが、そもそも現文在寅政権は、左よりで大企業を目の敵にしており、その流れで『全国経済人連合会』もあまり好かれてはいません。『全国経済人連合会』は真っ当な提言を幾つも行っているのですが、ある意味本当にお気の毒です。政府が耳を貸さないのですから。
(吉田ハンチング@dcp)