韓国・文在寅政権の「韓国版ニューディール」への傾斜が止まりません。
2021年07月22日、韓国政府は先に公表した「韓国版ニューディール」の「2.0」ポリシーに基づき、デジタルニューディールに「49兆ウォン」(約4兆7,040億円)を投入して新産業を育成すると明らかにしました。
「デジタルニューディール」とは?
デジタルニューディールってなんなの?という話なのですが、簡単にいえば、AI、5G、メタバースなどこれから伸びそうなIT分野で韓国企業が成長できるよう政府が主導して支援する――ということです。
同22日に科学技術通信部が以下のプレスリリースを公表しています。
2020年第3次補正予算:2.4兆ウォン(約2,304億円)
2021年予算:7.7兆ウォン(約7,392億円)
小計:10.1兆ウォン
(約9,696億円)
※引用元は同上/以下も
これまでに組成された予算は上掲のとおり「10.1兆ウォン」となっています。
政府が推進してきたデジタルニューディール事業には、民間企業を中心に公共機関、医療・研究機関を含む17万以上の組織が参加したそうです。どんな事業を行ってきたかというと、
・「データダム」の構築
・公共機関の青年インターン
etc
としています。「データダム」というのはAIが利用するためのデータベースを指しています。「ダム」はデータをためておくという意味で使われています。このような事業を行い、そこでの仕事を提供することで、雇用危機を緩和する効果をもたらしたとのこと。
「2.0」では、「データダム」「5Gハイウエイ」など、これまで構築してきたデジタルインフラをさまざまなプライベートエリアで積極的に活用し、民間主導のイノベーションが起きるように産業の生態系作りを多角的にサポートする
と述べています。
何もかもこれからで、まだ何もない
問題は、「2.0」の前に、「1.0」で指定された部分が別にできたわけではないという点です。「これまで構築してきた」と述べていますが、「データダム」や「5Gハイウエイ」があるわけではありません。例えば、先にご紹介したとおり韓国の5G環境は非常にお粗末です。
2021年中にソウル地下鉄での実験が始まると予定されているぐらいで、基地局の設置が非常に遅れているのが現実。どこにそのハイウエイがあるのか非常に疑問です。
ですので「2.0」で予算を拡大するといわれても、まず本当に予算が投じられたのか?また投じられた資金がどんな成果を挙げたのか?と1.0を精査する必要があるでしょう。
なにせ「韓国版ニューディール」で行われるとされた678事業のうち、150事業で予算執行が10%未満という調査結果が出ているぐらいですから。
(吉田ハンチング@dcp)