G20で行われたアメリカ合衆国・中国の会談ですが、結果はモラトリアムで終わりました。予想されたとおり、合衆国は中国に妥協したり譲ったりすることはありませんでした。中国が行っている、
・中国に進出した合衆国企業に対する技術移転の強要
・合衆国企業に対する知的財産権の侵害
・サイバー窃盗
を含む両国間の懸案事項に対して、有効な成果が90日以内に得られなければ(合意に達しなければ)、制裁関税の税率を現在の10%から25%に増やす、となりました。
このG20で合意に達しなかったので「猶予」を行ったわけです。ただし合衆国は中国に「相当量の農産品、エネルギー、工業製品を輸入すること」を飲ませたとのこと。また、農産品の輸入については早く開始されるとも。
合衆国が中国を圧倒した形です。モラトリアムの期間は制裁関税の追加はされませんが、90日の期限が来て中国との合意がなされなければ、トランプ大統領は躊躇することなく関税の賦課を決断するでしょう。今回の猶予は貿易戦争の「緩和」などではありません。合衆国はとことんやる気なので、中国がもし「のらりくらりとかわせる」と考えているとしたら大きな間違いですね。
⇒参照・引用元記事:『ロイター』「米中が追加関税を見送り、通商問題を90日間協議へ」
https://jp.reuters.com/article/us-china-summit-g20-idJPKCN1O1031
(柏ケミカル@dcp)