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日中友好45周年。王毅外相が噴飯物「5つの提案」を日本に突きつけた

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2023年10月23日、日本中国が「日中平和友好条約」を締結して45周年を迎え、岸田文雄首相と李強中国国務院総理、上川陽子外務大臣と王毅中国外交部長がメッセージを交換しました。

↑YouTube『ANNnewsCH』チャンネル「1972年 日中国交正常化 田中角栄総理の訪中団 共同声明調印までの記録映画(2022年09月28日)」

以下は、本件についての中国外交部・毛寧報道官のQ&Aです。

『澎湃新闻』記者:
本日は日中平和友好条約書簡交換発効45周年ですが、外務省にコメントをお願いします。

毛寧:
今日は中日平和友好条約書簡交換発効45周年です。

李強総理、中国共産党中央委員会政治局委員、王毅外相はそれぞれ日本の岸田文雄首相、上川陽子外相と祝賀メッセージを交換し、日中両国の平和、友好、協力の堅持という重要かつ積極的なメッセージを送った。

45年前、旧世代の両国指導者は戦略的ビジョンと政治的知恵を駆使してこの条約を締結し、日中両隣国の平和共存と世代友好の一般的方向性を法的に確立し、両国関係の発展過程における重要な一里塚となった。

日中共同宣言の原則の堅持、互いの内政不干渉、いかなる国の覇権追求への反対など、条約に規定された一連の核心的内容は、現在も日中関係に対処する上で堅持しなければならない指針であり、世界が現在直面しているリスクや課題を解決する上でも、実際的な指導的意義を持つものである。

現在、日中関係は改善と発展の重要な段階にあり、同時に多くのリスクと課題に直面している。

双方は条約45周年の記念行事を契機に、条約の精神を再検討し、政治的基礎を守り、互恵協力を拡大し、矛盾と相違を管理し、両国首脳の重要なコンセンサスに導かれながら、新時代の要求に合致した日中関係を構築するために共に努力すべきである。

⇒参照・引用元:『中国 外交部』公式サイト「2023年10月23日外交部发言人毛宁主持例行记者会」

原則を堅持し、互いの内政不干渉を挙げていますが、中国こそが守っていません。「いかなる国の覇権追求への反対」はアメリカ合衆国の言動を指しているつもりでしょうが、覇権追及を行い国際法違反を行っているのは中国です。

日本に対する牽制用の文言と見られます。

中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』も「45周年についての記事」を出しており、一部を以下に引用してみます。

日中関係が直面している深刻な困難にもかかわらず、中国の首相と日本の首相は月曜日、日中平和友好条約締結45周年記念式典で祝辞を交わした。

(中略)

現在の両国間の緊張は、まず、魚釣島を巡る紛争を含む地政学的安全保障に関連している。

さらに、中国を脅威として言及する日本の国家安全保障戦略の改訂や、中国を抑止するためのアメリカ合衆国との防衛・安全保障協力の拡大、特に台湾問題に関連しており、最終的には本質的な変化をもたらし、両国関係に大きな打撃を与える可能性があると専門家は警告している。

李強首相と岸田文雄首相は月曜日、日中平和友好条約締結45周年を祝うメッセージを交換した。

李首相はメッセージの中で、中国は日本と協力して条約の精神を復活させ、二国間関係の舵取りを堅持し、新時代の要求に適した中日関係の構築に尽力していきたいと述べた。

条約発効45周年を迎え、中国の王毅外相は先日の第19回北京・東京フォーラムで、日本の中国に対する認識は明らかに後退しており、中国を前例のない大きな戦略的挑戦と誤解していると述べた。

台湾問題で越境を繰り返すことで、日本は二国間関係の政治的基盤に大きな弊害をもたらしている、と中国外交トップは警告した。

王外交部長はまた、歴史問題や台湾問題などの重要な微妙な問題について共通の理解をもって政治的約束を履行すること、「経済安全保障」を口実にしたデカップリングや人為的な制限を防ぐこと、福島原発の汚染水排出に対する国内外の反対や懸念を真摯に受け止め、新たな冷戦や小さな徒党を組もうとするいかなる試みにも共同で反対することなど、二国間関係に関する5項目の提案を提示した。

領土主権を巡る争いのほかに、日本は「中国への戦略的封じ込め」や「中国からの経済的切り離し」を示唆する否定的なシグナルを頻繁に発信しており、日本の政治家の中には「台湾有事は日本有事」と挑発的に宣言する者もいて、日中関係はますます緊迫していると一部の専門家は指摘する。
(後略)

⇒参照・引用元:『Global Times』「China, Japan exchange congratulations on 45th anniversary of peace, friendship treaty, a ‘significant move’ in stabilizing tense ties」

一般企業の邦人を恣意的に逮捕し、南シナ海や沖縄近海を荒らし回る無法国家に成長した中国との関係など変わって当然ですが、中国はあくまでも「オレの言うことを聞け」ですので、これはもめて当然です。

Money1でもご紹介しているとおり、中国は「習近平個人を崇拝する」という方向に動いており、これは明確に時代に逆行する動きです。

中国とも分かり合える」などという幻想を持つのが間違っています。日本と中国は分かり合えなどしませんし、妥協するだけ無駄です。どこまでも日本が譲ることになるだけです。

王毅外相「噴飯物の5つ提案」

ちなみに、王毅外相が行った5つの提案というのは何でしょうか?

2023年10月24日、在日中国大使館は「王毅外相、福田康夫率いる中国訪問の親日代表団と会談」という文書を出しています(下掲はその投稿のスクリーンショット)。

この文書内には直接言及はないのですが、他中国語メディアによれば以下のように書かれています(以下に『中国共産党新聞網』より引用)。

王毅は、日中関係の発展に関する5項目の提言を発表した:

1.信義を重んじ、約束を守り、両国関係の堅固な政治的基礎を築く
2.協力を拡大し、より高いレベルで互恵とWin-Winを実現する
3.相違点を適切に処理し、両国関係の正しい方向性を打ち出す
4.友好関係を再活性化し、両国関係の世論基盤を改善する
5.協力関係を強化し、地域の平和と安定を維持する

1~5まで大笑いな内容です。

まず「1」。信義を重んじていないのは中国です。国際法を守らない国のどこに信義があるでしょうか。

2」で高いレベルの互恵、Win-Winを実現などと書いていますが、中国の言うWin-Winは「オレに寄越せ」であって、中国しか得をしない片務的な関係です。

3」の「相違点を適切に処理し」は韓国もよく言われていますが、要するに「両国の違いはオレの言うとおり埋めろ・目をつぶれ」です。

4」の「両国関係の世論基盤を改善する」など、まさに独裁者が仕切っている国だからこそ言える噴飯物の主張です。世論を政府が統制できると思っている証拠で、自由民主主義国家では通用しない主張です。

5」の「地域の平和と安定を維持」していないのは、中国です。南シナ海、台湾周辺、沖縄周辺で中国こそが紛争を引き起こしています。

また、このお題目の中身というのが、『Global Times』が上掲記事でゲロっているとおり、

・歴史問題や台湾問題などの重要な微妙な問題について共通の理解をもって政治的約束を履行すること

・「経済安全保障」を口実にしたデカップリングや人為的な制限を防ぐこと

・福島原発の汚染水排出に対する国内外の反対や懸念を真摯に受け止め、新たな冷戦や小さな徒党を組もうとするいかなる試みにも共同で反対すること

――ですから、お話にも何もなりません。福田さんは王毅外相に「あんたらとは違うんです」と言ってやるべきでした。

「日本人に嫌われている」のは分かっている

『Global Times』の記事で傑作なのは、以下の部分です。

(前略)
日中平和友好条約締結45周年を前に、第19回北京-東京フォーラムで発表された世論調査によると、中国の回答者の55.4%が「米中対立の影響を最小化し、日中協力を促進する」ことを望んでいるのに対し、日本の回答者でこの考えを共有しているのは29%に過ぎない。

しかし、日本の回答者の10人に6人近くは、日本が「どちらの側にも立たず、国際協力に貢献するよう努力する」ことを望んでいる。
(後略)

アメリカ合衆国と中国の対立が深化する中、日中協力を促進するべきと考える中国人、日本人は――

中国人:55.4%
日本人:29.0%

――と際立った差を見せています。

当たり前な話で、中国の悪行を見てきた日本人が中国を支持するなどということは、まずあり得ません。29%と多いように見えますが、Money1でも以下の記事でご紹介したとおり、中国は世界中から嫌われています。

「中国が嫌いだ」が7割。「高所得な国」の方が中国を嫌う
2023年07月27日、アメリカ合衆国の『PewResearchCenter(ピュー・リサーチ・センター)』が興味深いリポートを公表しました。中国の好感度調査です。中所得国・高所得国の計24カ国の国民を対象に調査した結果ですが、中央値で成人...

この『Global Times』の記事を見る限り、日本人が中国を嫌っているのは自身でも理解しているのです。しかし、自ら態度を改めることはしません。お前が変われと要求するばかりです。

こんな国とうまくやっていけると考える方がおかしいのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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