米国イエレン長官が中国に到着。「公正なルール下での競争をしよう」

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2023年07月07日、アメリカ合衆国のジャネット・イエレン財務長官が中国に到着し、さっそく李強首相と会談を行いました。

中国の財政部は、イエレン長官の訪中に当たって、先に以下のような文書を公開しています。


↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください/スクリーンショット

米中間の相互合意により、イエレン米財務長官は07月06日から09日まで中国を訪問する。

これは、米中首脳のバリ会談の重要なコンセンサスを実行に移し、金融分野における両国の意思疎通と交流を強化するための具体的な措置である。

米中経済貿易関係の本質は互恵・ウィンウィンであり、貿易戦争や「デカップリング・断鎖」に勝者はいない。

われわれは、合衆国側が両国の経済貿易関係の健全な発展と互恵・ウィンウィンの実現に向け、良好な環境を作り出すための実際的な行動を取ることを希望する。

⇒参照・引用元:『中国 財政部』公式サイト「财政部相关负责人就美财政部部长耶伦访华答媒体询问」

イエレンさんが何をしに行ったか、何を話し合ったのかですが――合衆国財務省からは「(何立峰副首相に会った際の)イエレンさんの発言」を紹介する以下のようなリリースが出ています。


↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください/スクリーンショット

何立峰副首相、北京の歓迎に感謝します。

昨年11月のバイデン大統領と習主席の初の直接会談は、われわれ高官がマクロ経済と金融の安定に関する意思疎通と努力を強化するための指針を与えてくれました。

世界経済の見通しが複雑化するなか、2大経済大国が緊密に意思疎通を図り、さまざまな課題への対応について意見を交換することが急務となっています。

このコミュニケーションは、双方が世界経済の見通しをより十分に理解し、互いの経済を強化するためにより良い決断を下す助けとなります。

また、合衆国と中国は、勝者が全てを手にするのではなく、公正なルールの下で、長期的に両国に利益をもたらすような健全な経済競争の関係を模索すべきである、と私は考えています。

特定の経済慣行について懸念がある場合には、直接それを伝えるべきであり、また伝えるつもりです。

両国の経済の大部分は、両国政府にとって議論の余地のない方法で相互作用することができると私は信じています。

最近の緊張にもかかわらず、2022年の二国間貿易が過去最高を記録したことは、両国の企業が貿易や投資に関与する余地が十分にあることを示唆している。

われわれはまた、新興市場や発展途上国における債務苦境や気候変動といった重要なグローバル課題に直面しており、そこでは自国と他国の双方に対して協力する義務がある。

最後に、合衆国は国家安全保障を守ることに的を絞った行動をとります。

これらの行動については意見の相違があるかもしれないが、その意見の相違が誤解、特にコミュニケーション不足に起因する誤解につながることを許すべきではなく、それは二国間の経済・金融関係を不必要に悪化させることになりかねせん。

議論を楽しみにしています。

⇒参照・引用元:『アメリカ合衆国 財務省』公式サイト「Remarks by Secretary of the Treasury Janet L. Yellen at Meeting with Vice Premier He Lifeng of the People’s Republic of China」

イエレンさんの発言はなかなかに味わい深いものです。

中国と合衆国は協力できる、としながらも「合衆国は安全保障に的を絞った行動を取る」と明言しています。

また、「公正なルールの下で、長期的に両国に利益をもたらすような健全な経済競争の関係」としており、「特定の経済慣行について懸念がある」ならハッキリ言うとしています。

「(中国にも)直接言ってもらいたい」としているのが合衆国っぽいところです。

しかし、中国の場合は、自由主義陣営国が考える公正なルールは守っていません。「オレさまの引いたルールにお前たちは従わねばならない」ですので、話が合うわけはないのです。

もめても、コミュニケーションだけは続けべきだというのも合衆国らしいです。「急に電話に出なくなる」とかはやめろよ――というわけです。

「コミュニケーションだけは取り続けよう」だけは合意できるかもしれませんが、果たしてどうなるでしょうか。

米中双方からどんな声明が出るのか、にご注目ください。

最後に付記しますが、2023年07月06日には、あの河野洋平さんが訪中し、李強首相と面談しています。河野洋平さんは、自身が会長を務める友好団体「日本国際貿易促進協会」の一行らおよそ80人を引き連れての会談でした。

(吉田ハンチング@dcp)

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