「中国のテスラ」「赤いテスラ」と呼ばれるなど、注目されてきた中国『Byton(バイトン)』(拜騰)が1台の電気自動車も生産できないまま破産手続きに入る可能性が大きくなった、という情報が出ています。
2021年07月13日、債権者である『上海華迅網絡科技有限公司』が、『バイトン』の親会社である『南京知行新能源汽車技術開発有限公司』の破産・更正申請を12日、裁判所に提出した――という報道が出ました。
↑格好のいい運転席で注目されていました。PHOTO(C)『Byton』
台湾『フォックスコン』は助けにならなかった?
↑「M-Byton」の量産体制を2022年第1四半期までに整えるのが目標でした
そもそも同社は2020年中に操業停止になるなど、先行きに不安を抱えていたのですが、台湾の『Foxconn(フォックスコン)』(鴻海科技集団)が「2億ドル」を投資するとして助け船を出したかに見えたのですが……。
結局その投資は行われておらず、一部では(Appleカーの製造を受注することに意欲を見せている)『フォックスコン』は『バイトン』の技術者から技術を吸い上げることばかりに熱を上げているという報告が出ています。
そのため『バイトン』と『フォックスコン』の間で暗闘が繰り広げられていましたが、それも『フォックスコン』の撤退によって終了すると見られています。
現在、『中国第一汽車集団』が『バイトン』の中心的株主ですが、中国本土のドメスティックな企業集団です。台湾系の『フォックスコン』の目論見を排除して主導権を取り返せるかどうか、また資金を投入し続けて「2022年に量産体制をつくる」ことができるかどうか――が焦点になっています。
1台も生産せずに終わるのか?
今回の裁判所への申請について、『バイトン』側は「裁判所は破産申立てを正式に受理しておらず、積極的に対応して和解を求めている」としているとのこと。
結局『バイトン』が1台も電気自動車を生産せずに終わるかどうか、その結果にご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)