2021年08月12日、『韓国銀行』が「国際金融・為替市場の動向」のデータを公表しました。
毎月この資料を見る楽しみのひとつは、外国人が韓国の株式市場・債権市場でどのように資金を動かしたのかが分かる点にあります。
純流入・純流出の金額(つまり収支)が出ているのですが、07月は以下のようになっています。
2021年07月 外国人の資金収支
株式:-30.6億ドル(約-3,378億円)
債券:+55.7億ドル(約6,149億円)
小計:+25.7億ドル(約2,837億円)
07月、外国人は株式市場から30.6億ドル(約3,378億円)の資金を抜き(株式を売り越し)、債権市場には55.7億ドル(約6,149億円)を投じました(債権を買い越し)。
合わせて「25.7億ドル」(約2,837億円)の資金流入です。
ただし、何度だって言いますが、債権市場に流れ込んだ資金は利子を付けて返済しないといけないお金です。簡単にいえば借金ですので、「資金流入だ、わーい」では済みません。借りたお金で事業を回すなどして、利子より大きな利益を上げないと赤字です。
Money1では繰り返しご紹介しておりますが、とにかく外国人投資家の皆さんは株式市場から資金を抜くのに一生懸命です。直近5カ月分だけ見ても以下のようになります。
外国人の株式市場における資金収支
03月:-25.8億ドル(約-2,848億円)
04月:+ 5.9億ドル(約651億円)
05月:-82.2億ドル(約-9,074億円)
06月:– 4.4億ドル(約-485億円)
07月:-30.6億ドル(約-3,378億円)※データ引用元は同上
2021年01~07月の累計では、「-189.7億ドル」(約-2兆9,850億円)にもなります。
2020年は「-182.4億ドル」(約-2兆135億円)でしたから、今年は昨年より余計に売り越していることになります。
――このようなセルコリアの現状ですので、とても「外国人投資家が帰ってきた」とは言えません。
(吉田ハンチング@dcp)