韓国の五大銀行といえば、『国民銀行』『新韓銀行』『ハナ銀行』『ウリィ銀行』『農協銀行』ですが、興味深いデータが出ました。
五大銀行のドル預金がピーク時から63.7億ドル(約6,960億円)減少した、のです。
以下の2021年に入ってからのドル預金の推移をご覧ください。
01月から預金額は上昇を続け、05月末には「602億5,500万ドル」(約6兆5,889億円)に達しました。
しかし、以降はドル預金額は減少し、08月12日には「538億9,000万ドル」(約5兆8,929億円)に下落。63億7,000万ドル(約6,960億円)も減っています。
これは、ドルウォンのレートが大きくウォン安に傾いたためです。
以下のドルウォンの月足チャートをご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用)。
06~08月にウォン安が大きく進行しています。
ウォン安に傾けば、同じ額のドルでもウォンに換えたときには金額が増えます。
例えば、06月の始値は「1ドル=1,130.48ウォン」でしたが、08月12日の終値は「1ドル=1,162.98ウォン」。
1ドルにつき「32.5ウォン」(2.87%)も増えました。
このため、ドル預金をウォンに換える動きが強くなったのです。そして、みんなでドルをウォンに換える動きが強くなれば、それがさらにウォン安を加速します。
ウォン安傾向はまだ収まったわけではありません。
アメリカ合衆国のFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)がテーパリング(金融資産の買い入れを縮小して金融緩和を弱める)を宣言すれば、さらにドルが強くなり、ウォン安が進行することが予測されます。
韓国の正念場はこれから来るのです。
(吉田ハンチング@dcp)