本日2021年08月25日、韓国で言論の自由を制限する法律が政府与党によって本議会で強行採決される予定です。
しばしば「メディア規制法」と呼ばれる「言論仲裁および被害救済などに関する改正案」です。
極めて恣意的に言論を封殺できる立て付け
これは改正法案ですので、基になった法律があります。
改正の対象となるのは「言論仲裁および被害救済などに関する法律」です。これは、そもそもの立て付けが、恣意的にメディアの報道に対して罰則を科すことができるものになっています。
メディアの報道によって被害を受けたという人は、「言論仲裁委員会」なるものに被害を訴えることができ、その委員会の裁定によって被害を認定できる――としている法律です。
つまり、委員会の構成員によって極めて恣意的にメディア報道の白黒を判定できるのです。
今回の法改正案では、委員の人数を増やすこと、メディアによって被害を受けたとする金額の5倍までメディアに支払わせることができる、といった条項が含まれています。
メディアの口をふさぐための法律と見られており、そのため韓国メディア、識者、野党から大きな反発を招いているのですが、与党『共に民主党』は強行採決を行ってでもこれを通過させるつもりです。
次期大統領候補は懲罰措置強化に賛成している
先にご紹介したとおり、『共に民主党』はそのためのリハーサルも行いました。『共に民主党』の次期大統領候補もこの法案に対して推進しています。
李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事は「報道機関を滅ぼすと思われるほど強力な懲罰を行わなければならない」、金斗官(キム・ドゥグァン)議員は「懲罰的損害賠償額は、最大20倍以上に高めなければならない」と述べています。
言論を萎縮させるかもしれない法律に対して、よくこんな発言ができるものです。
言論の自由はいついかなるときにも守らなければなりません。「王様は裸」だと指摘する自由は誰にでも保証されるべきで、そうでなければ愚かな王様に気付かせることはできませんから。
(吉田ハンチング@dcp)