世界的に船便、コンテナ不足が続いており、物流が混乱しています。先にご紹介したとおり、韓国もその影響を受けて困ったことになっています。
貨物の運搬コストの上昇が止まらない
もうかるというので世界中の貨物運搬船が中国に向かっており、韓国は素通りされる傾向にあるのです。以下をご覧ください。
『上海海運取引所』の公表しているコンテナ運賃を示す「SCFI」(上海コンテナ運賃指数)です。
先に「4,000ドルを突破して4054.22ドルになった」とご紹介したのが2021年07月16日時点でしたが、08月20日時点では「4,340.18ドル/TEU※」に達しています。
※1TEUは20フィートの長さのコンテナ1個
1カ月余りでさらに「7.1%」貨物の運搬コストが上昇したのです。
政府も四苦八苦の最中にストライキが決定!
このように船便のコストが上昇し、そもそも船便を捕まえるのが難しいのに、コストが合わないからと出荷を港で止める企業も続出しています。特に出荷のボリュームが少ない中小企業がその影響を大きく受けています。
韓国は輸出一本で食べている国ですので輸出が細ることは大問題です。
韓国ではこの事態を「物流大乱」などと呼んいるのですが、政府はなんとか船便を増やせないかと四苦八苦しています。
この最中、2021年08月23日、韓国海運最大手『HMM』でストライキが可決されました。
『HMM』海上労組の組合員453人を対象とした争議行為賛否投票に、434人が参加。なんと400人が賛成票を投じました。
これで『HMM』海上労組は合法的にストライキを決行できるようになりました。
『HMM』海上労組側は、「会社が要求に応じなければ集団で辞表を出し、スイスの海運会社『MSC』に移籍する」「『MSC』は全員を雇用できる」と述べています。
韓国メディアの報道によれば、スイス『MSC』は2倍の給与を提示しているとのこと。
船を動かす人がいなくなる可能性
引き抜きも兼ねたような賃上げ闘争になっているわけですが、本当に交渉が決裂して『HMM』海上労組の従業員がいなくなると、貨物船を動かす人間が足りなくなることになります。
ただでさえ物流大乱と呼ばれる状況なのに、韓国最大手海運会社の船が止まるかもしれないのです。韓国の輸出がピンチです。
(吉田ハンチング@dcp)