「バルチック海運指数」とは?

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株式市場の動向を判断する指標(INDEX)の一つとして「バルチック海運指数」が挙げられることがあります。投資家の中にはこのバルチック海運指数を市場の先行指標として重視する人がいるのです。バルチック指数が高い場合はその後株式市場も上昇し、逆に低い場合にはその後株式市場も下落するといわれます。今回は「バルチック海運指数」についてご紹介します。

「バルチック海運指数」とは? 海運運賃についての指標です

バルチック海運指数は「Baltic Dry Index」(バルチック・ドライ・インデックス)を日本語訳したもの。略称は「BDI」です。

「dry(ドライ)」というのは「dry cargo(ドライ・カーゴ)」のことで、簡単にいえば「乾き物」の「貨物」です(「乾貨」と呼びます)。資源でいえば石炭・鉄鉱石・ボーキサイトなどがそうですし、穀物もこのドライ・カーゴに当たります。

このドライ・カーゴを世界の主要航路で海上輸送する際の船の運賃、また用船料を聞き取り調査して算出・公表されているのが「バルチック海運指数」です。イギリスの『バルチック海運取引所』(Baltic Exchange)※が、海運会社・ブローカーなどを対象として海運運賃を調べて公表しているので「バルチック」という名前が冠されてます。

バルチック海運指数は、1985年1月4日の値を「1,000」として算出されたINDEXですので、価格ではありません。直近のバルチック海運指数を見てみると下のようになっています(チャートは『Bloomberg』より引用)。

※バルチック海運取引所は2016年に『シンガポール取引所』に買収されました。

「バルチック海運指数」は先行指標になる?

「バルチック海運指数」を株式市場の先行指標として捉える投資家もいらっしゃいます。運賃が上昇するということは「物流が活発」ということですので、景気が良いこと(良くなること)を意味します。逆に、運賃が下落するのは「その金額でも運ばないと仕方がない」ためですから、つまり「物流が低調」。景気が悪い(悪くなる)というわけです。

海運を用いて運ばれた商品が目的地に到着、そこからさまざまな企業に販売され、さらに大きなお金が動きます。例えば、鉄鉱石が到着したら、それを素材の鉄にする企業があり、その鉄を買ってさらに家電商品を製造する企業へ、家電商品を仕入れる卸の企業へ、などと仕入れ⇒販売の連鎖が消費者にまで続きますね。海運の活発さは「この連鎖」の大きさを予見するものでもあるわけです。

海運運賃の上昇・下落はお金の動きの活発さに密接に関連しているのです。バルチック海運指数を株式市場の先行指標と見ることが可能とされるのはそのためです。

(柏ケミカル@dcp)

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