アメリカ合衆国トランプ大統領は、02月06日世界銀行の次期総裁候補として、財務省のマルパス次官(David Robert Malpass)を指名しました。
このデビッド・マルパスという人は、現在合衆国財務省で国際問題財務次官(Under Secretary for International Affairs)を務めていますが、そもそもは経済学者です。また物理学の学士号も持っています(合衆国・コロラド大学)。レーガン大統領の時代には「財務次長補佐官」、 ブッシュ大統領時代には「国務副次官補」を務め、さらに『ベアスターンズ』のチーフエコノミストだった経験も有しています。
非常に優秀な人であることは確かですが、注目すべきはマルパス次官の主張です。マルパス次官は、
・世界銀行はあまりにも大きな組織で非効率的である
・新興国に発展する途上国の開発に消極的だ
と主張する一方で、
・世界第2位の経済大国(中国)は自らを支える財源を持っている。世界銀行は中国への貸付を減らすべき。北京による自国の市場開放は遅々として進んでいない
と述べています。マルパス次官は世界銀行が中国に融資することを批判をしている人なのです。マルパス次官を世界銀行総裁候補とするのは、トランプ政権の中国に対する圧力のひとつというわけです。
(柏ケミカル@dcp)