中国の『国家外貨管理局』から10月時点での外貨準備高が公表されました(以下)。
外汇储备……3兆2,176.14億ドル
(Foreign currency reserves)
対前月比:169.88億ドル増加基金组织储备头寸……105.26億ドル
(IMF reserve position)
対前月比:4.26億ドル増加特别提款权……535.96億ドル
(SDRs)
対前月比:2.58億ドル増加黄金……1,108.26億ドル
(Gold)
対前月比:16.51億ドル増加其他储备资产……-3.33億ドル
(Other reserve assets)
対前月比:1.10億ドル減少計:3兆3,730.16ドル
対前月比:192.13億ドル増加データ出典:『中国 国家外貨管理局』公式サイト
全体でが「192.13億ドル」増加しています。外汇储备(Foreign currency reserves)だけで推移を見ると以下のようになります。
10月は3兆2,176億ドルで「169.88億ドル」増加しています。2021年で最も少なくなった03月の「3兆1,700億ドル」に向かって減るかと予測していたのですが、当月は増えています。
中国の外貨準備高の公表は上掲のとおり「どんぶり勘定」で、現預金、証券類など中身がさっぱり分かりません。
ずいぶん前にご紹介しましたが、識者からは「新興国(中国が進出しているアフリカ・中南米など)に対する融資残高も外貨準備に組み入れているのではないか」といった疑念が提起されています。確かにそれらも外貨資産ではありますが、「いざというときに通貨当局がすぐに使えるもの」という定義からは外れます。
中国の外貨準備高で使える部分は意外に少ないのではないか、といわれるのはこのような疑念がぬぐえないからです。
上掲のとおり、中国の外貨準備はざっくり3兆ドル。このうちほぼ1兆ドルはアメリカ合衆国公債です。
Money1でも毎月ご紹介しているとおり、これは合衆国財務省が毎月公開している「合衆国公債の主要ホルダーと金額」によって確かです。残り2兆ドルですが、これは本当に使えるものなのか?――が問題なのです。
(吉田ハンチング@dcp)