「CDS」(Credit Default Swap:クレジット・デフォルト・スワップ)というのは、一種の保険のようなものです。
企業や国家がデフォルト(債務不履行)した際に、その企業が発行した債券、その国が発行した国債を購入した投資家はお金を回収できなくなるかもしれません。
そこで、保証料を支払えば、デフォルトした際にあなたが突っ込んだ資金を保証しますよ、という金融商品が登場します。これがCDSです。CDSの売り手は、買い手から保証料を受け取り、いざデフォルトとなったら、その損失を引き受けます。
そんなものを売って大丈夫なのかと思われるかもしれませんが、保険屋の商売と同じで、デフォルトしなければ保証料総取りの丸儲けです。
で、このCDSの保証料率のことをCDSプレミアムといいます。これまた保険と同じで危ない会社の発行した債券、飛びそう国の国債ほど料率が上がります。また、このプレミアムは実際のCDS市場の需給によって毎日変動します。
つまり、CDSプレミアムの推移にはその社債や国債の信用度(危ない度合い)がビビッドに反映しているわけです。その債券の発行体、国のデフォルトリスクを確認したければ、CDSプレミアムがどのようになっているのか見ると、「うわっ」とか「まだ大丈夫じゃん(がっかり)」などと確認できて楽しいです。
で、中国の国債5年物のCDSプレミアムの推移です。
2021年11月10日「56.3614bp」(bp=0.01%:1毛)になり、コロナ禍で大変な目に遭っていた2020年05月水準に近付いています(2020年05月09日:73.273bp)
いえ、もちろんこの程度ではまだまだですが、CDSが上昇傾向にあることは注視しておきたいものです。経済が明らかに失速していますし、上がるときは一気に上昇しますので。
(吉田ハンチング@dcp)