Money1では連日、KOSPI(韓国総合株価指数)の動向をご紹介しておりますが、直近では「まあとにかく上がらないわねぇ」というプライスアクションになっております。
「韓国市場は主要国でも最低圏」という話
これは韓国の投資家の皆さん、韓国メディアでも切歯扼腕する状況のようで、例えば『The Korea Economic Dairy』には以下のような記事が出ています。
(前略)
24日、韓国取引所によると、コスピ指数は、世界主要国の主要指数のうち、最下位圏の成績表を出したことが分かった。年初来23日までに米S&P500指数は25.83%上昇し、世界的な株式市場をけん引したほか、台湾の加権指数は21.82%上昇した。日本の日経指数と中国上海指数はそれぞれ4.93%と4.90%上昇した。
一方、コスピ指数は4.34%の上昇に止まった。
(後略)⇒参照・引用元:『The Korea Economic Dairy』
こういう時は『Bloomberg』のチャートが一番きれいで見やすいので、同チャートでこの1年間のKOSPI、S&P500、台湾株価指数(TWSE)を比較してみます。
以下をご覧ください(チャートは『Bloomberg』より引用)。
↑オレンジがKOSPI、マゼンダがTWSE、ライトグリーンがS&P500です。
同記事では23日時点でKOSPIは「年初来4.34%の上昇で低い」と嘆いていますが、この1年間で見れば「7.26%」も上がっているので、それほど嘆くことはないのではないでしょうか。
S&P500:26.51%上昇
なので、比較するとイヤな気持になるのは理解できますけれども。
外国人投資家はせっせとセルコリア「25.9兆ウォン」
上がらない原因は、毎度のことながら「外国人投資家が大量に売るからだ」と報じられています。
確かに2021年も昨年に続いて外国人投資家はセルコリアを続けてきました。『韓国取引所』によれば、2020年02月24日時点では、外国人投資家は時価総額の「39.30%」を保有するほどでしたが、これが2021年08月17時点で「31.53%」まで低下※。
以降、外国人投資家の保有する株式の時価総額は「30%のラインを割るか割らないか」で低迷してきました。つまり、それだけ資金が流出していたわけです。
『韓国取引所』によれば、2021年01月01日~12月23日で外国人投資家は「25兆9,543億ウォン」(約2.52兆円)を売り越したとしています。
約2.52兆円が韓国株式市場から資金流出したわけです。
もし、このまま締まれば2008年「韓国通貨危機」の時に記録した「33兆6,034億ウォン」以来の最大の売り越し金額になります。
さて、残すところ本日2021年12月27日も入れて、あと4日(12月31日は大晦日で休場)。外国人投資家の売買動向がどのようになるのか、にご注目ください。
※Money1では2021年08月02日にご紹介しましたが、07月29日には「34.12%」まで低下。このときは「2016年08月17日に記録した『34.03%』以来の低水準」と韓国メディアでも大きく報じられました。外国人投資家は以降もセルコリアを続けて株式市場から資金を抜いたのです。
(吉田ハンチング@dcp)