毎度おなじみのオチで大変申し訳ないのですが、一応ご紹介しておきます。
例えば、韓国メディア『中央日報(日本語版)』に、「現代自動車北米地域本部長『現代自動車、ホンダ超えた』」といった記事が出ており、このタイトルだけ見ると、あたかも『現代自動車』がアメリカ合衆国市場において『HONDA(ホンダ)』の販売台数を抜いたように思えます。
Money1では何度もご紹介していますが、韓国メディアはこのような、自動車の販売台数の比較を行う際に、すぐ『現代自動車』と『起亜自動車』の販売台数を足して、日本のメーカー1社と比較して勝った・勝ったと報じるのです。
「足す理由」は、『起亜自動車』が『現代自動車』のグループ企業だからですが、別法人・別ブランドですので非常にアンフェアな態度だといえるでしょう(そもそも勝った・負けたというような話なのかではありますが)。
以下に『中央日報』の記事の一部を引用してみます。
(前略)
現代自動車グループは昨年米国市場で148万9,118台を販売した。これは前年比21.6%増えた数値で、これまで年間最大実績だった2016年の142万2,603台を上回った。
何より米国市場で地位を固めた日本のホンダの146万6,630台を初めて抜いてシェア5位となった。
(後略)
上掲のとおり、「現代自動車グループ」と書いてあります。
きちんと『現代自動車』と『起亜自動車』を分けて『ホンダ』と数字を比較すると以下のようになるのです。
『ホンダ』:146万6,630台
『現代自動車』:78万7,702台
『起亜自動車』:70万1,416台
『ホンダ』は、『現代自動車』の「1.86倍」、『起亜自動車』の「2.09倍」の自動車を販売したことになります。
つまり、『ホンダ』は1社で、『現代自動車』『起亜自動車』それぞれの倍の販売台数なわけです。
公平を期すために申し上げると、『現代自動車』は前年比「23.3%増」、『起亜自動車』が「19.7%増」なので非常に頑張ったといえます。
しかし、コロナ禍に見舞われて販売台数が落ち込んだ2020年と比較しての話なので、対前年比で派手な数字が出ても当然といえば当然なのです。韓国メディアが好んで使う、いわゆる「基底効果」というやつで、割り引いて見なければなりません。
(吉田ハンチング@dcp)