「ドイツ銀行」が次の世界的な金融危機の震源地になるのでは?という観測があり、そろそろそのような見方を封じないといけないハズなのですが……疑惑は深まるばかりです。コメルツ銀行との合併を目指していたのですが、04月25日にはその話が破談となりました。コメルツ銀行のツィールケCEOは「資本要件と執行リスクの存在が合併の意義を失わせた」と述べています。
合併プランがなくなったことでドイツ銀行の行く末はまた不透明になりました。そもそもドイツ銀行は、リーマン・ショックのときにリスクの高い金融商品を大量に買い入れた、またCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を非常に多く扱っているといわれています。リスク性資産を抱えているので資金基盤は脆く、何かあった時には……という見方がされているのです。
なぜ「CDS」で儲からない?
筆者が不思議に思うのは「CDSを大量に扱っているのに儲かってないのはなぜか?」という点です。以前Money1でもご紹介しましたが、CDSというのは保険みたいなものです。保険屋の商売と同じで、破綻(デフォルト)しなければ保険料が支払われ続けるわけですから、儲からないとおかしいのです。アメリカの好景気に見るように、総じて好景気が継続していますからCDSで儲かってないはずはないのです。なのに、「第1四半期の収入が前年比14%減少」というのは何なのでしょうか?
ドイツ銀行に残された時間はそれほど長くはないのかもしれません。
(柏ケミカル@dcp)