中国は年金でも破綻する!

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少子高齢化が進むと年金の仕組みが行き詰まることになります。日本でも四苦八苦していますが、13億の人口を抱える中国はそれがもっと顕著なのをご存じでしょうか? 少なくとも共産主義国家が建前の中国で老人が養えないというのは看板倒れもいいところなのですが……

中国はすでに高齢化社会である!

「一人っ子政策」を取ったために、人口のバランスを大きく崩した中国は急速に高齢社会となっているのです。驚くなかれ2024年には超高齢会化社になると予測されているのです(高齢化社会、超高齢化社会の定義についてはMoney1の過去記事を参照してください)。

⇒参照記事:『Money1』「アジアは急速に老いていく! 「人口ボーナス」って何?」
https://money1.jp/?p=494

今でさえ年金システムは補助金頼み!

ですので、中国社会では「社会で老人をどのように養うのか」がすでに問題になっています。

中国の公的な年金制度は地方自治体の管理下にあります。年金基金は保険料収入の70%を占めており(2017年のデータ)、公的保険制度の大部分は年金なのです。

しかし、年金基金は中国政府の補助金によって支えられているのが現状で、2018年時点で赤字は2,340億元(約3兆8,821億円:1元=16.59円)に上ります。しかも、2022年にはこれが5,340億元(約8兆8,591億円)にまで拡大すると予想されているのです。

この年金基金の大赤字の原因は、雇用主の保険料の未払いによるところが大きいと目されています。日本の年金制度では、基本的に保険料は雇用主と労働者が折半して負担します。しかし、中国では雇用主の負担が大きく、そのため経営を圧迫するとして保険料を支払わない雇用主が多いのです。

2018年のある調査によれば保険料をきちんと満額納付している企業は27%しかなかったとのこと。これには、企業が政府組織と結託しているという中国ならではの特徴が大きく影響しています。ファーウェイの例を出すまでもなく、大企業になればなるほど政府が株主だったり、強い影響力を持つなどしています。そのため、徴収官が保険料を取ろうとしても政治力で阻まれる可能性が高く、それがまとまな保険料徴収を阻んでいるのです。

中国政府も改革に乗り出しているが

このままではイカンと中国政府も年金制度の改革に乗り出してはいます。2018年07月には、地方自治体任せだった保険料の徴収システムを再構築する計画を打ち出しました。

しかし、問題は企業が徴収に協力するかという点です。政府とのコネクションを持つ企業が多いので何らかの手管を用いて徴収を回避するような動きをしかねません。また、きちんと徴収が行われれば、そのぶん企業の利益が減るわけで、これは景気減速からの回復に躍起になっている中国政府の思惑に反します。

いずれにせよ年金システムの崩壊は中国を破綻させる可能性があります。年金が支払われなくなると民衆の怒りは政府に向かい、中国共産党の支配を大きく揺さぶるでしょうから。

(柏ケミカル@dcp)

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