韓国の次期大統領選挙まで1カ月を切りました。
いよいよ選挙戦もクライマックスですが、各候補は有権者にアピールする公約をばらまいています。中でも李在明(イ・ジェミョン)さんの発言には特筆すべきものがあります。
2022年02月17日、ソウル往十里駅広場で街頭演説に立った李在明(イ・ジェミョン)さんは、自身の公約に入れていた「信用大赦免」について発言しました。
これは本当に、いわゆる「徳政令」。「借金棒引きしますよ!」です。
政府と与野党が「小商工人・自営業者の支援規模でもめている今だ!」と考えたのかもしれません。
↑YouTubeの『YTN』チャネル。李在明候補の「信用大赦免」について報じています。
李在明(イ・ジェミョン)さんは以下のように発言しました。
「コロナ19のため、多くの人々が借金に苦しんでいる。あまりにも苦しく、極端な選択をする人々もいる。
クレジット大赦免を通じてコロナ19のために借金された部分を国家が買収する」
「信用大赦免で正常な金融取引を可能にするだろう」
「韓国型PPP(給与保護プログラム)も導入し、固定費用、人件費、賃貸料を支援する。遡及してみな処理する」
「大赦免」なんて「何様なんだ」という名前ですし、「大統領が借金の棒引きを指示できると認識しているのか」と驚愕せざるを得ませんが、こういうのも公約に入っているのです。
しかも遡及してというのです。
どこまでさかのぼって処理するつもりか分かりませんが、金融機関の保有する債権の買い取りを政府が行うと言っています。
これは莫大な金額になります。
李在明(イ・ジェミョン)さんの次の発言をご覧ください。
「コロナ19期間に発生した損失のうち補償されなかった損害が40~50兆ウォンに達するという。
その損失を今追加予算を通じて最大限確保するが、大統領になった瞬間に緊急追加予算、あるいは緊急財政命令を発動しても50兆ウォン以上の確実な補償支援対策を即時に実行する」
40~50兆ウォンなどと言っていますが、そんなもので済むとは思えません。
先にご紹介したとおり、「元利返済猶予」でせき止められている「中小企業・個人事業主に対する融資金額」は2021年10月時点で「106万件、261兆2,301億ウォン」です。
261兆2,301億ウォン(約25.1兆円)は融資金額ですが、コロナ禍でやむなくお金を借りるしかなかったと捉えれば、損失金額と見ることが可能です。
2021年の政府支出がざっくり600兆ウォン(約57.6兆円)でしたから、なんと国家予算の「43.5%」に及ぶのです。
このような金額が「補てんしてくれ!」と押し寄せてきたら、いったいどうするつもりなのでしょうか。
先の記事で、「家計負債の異常な増加を解消しようとして徳政令を出すかもしれない」と書きましたけれども、李在明(イ・ジェミョン)さんが大統領になったら本当にならやるかもしれません。
大衆受けする政策(?)かもしれませんが、このような「借金したもん勝ち」「借金は返さなくてもいい」というような政策を行う国が、先進国、法治国家といえるのでしょうか。
来る03月09日、韓国は素晴らしい指導者を大統領に選ぶかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)