2020年コロナ禍に見舞われ、韓国政府の財政は一気に傾きました。理由は税収が減少したこと、お金をまくために負債を増やしたことです。
少なくとも統合財政収支(単純に政府収入から政府支出を引いたもの)は曲がりなりにも2018年までは黒字だったのですが、文在寅政権が支出を膨らませた結果2019年(コロナ前であることに注意)に赤字に転落。
コロナ禍が来たことで2020年に赤字が拡大。2021年には支出拡大傾向がそのまま引き継がれてやはり赤字。
お金をまくために多額の国債を発行して負債を積み上げたため、韓国政府の財政はまさに暗鬱な状況となっています。
韓国の企画財政部から公表された『月刊財政動向及び問題 2022年02月号』でデータを確認すると、「コロナ禍の2年間」は以下のようになります。
2020年
政府収入:478兆8,000億ウォン
政府支出:549兆9,000億ウォン
収支:-71兆2,000億ウォン2021年
政府収入:570兆ウォン(暫定)
政府支出:600兆ウォン(暫定)
収支:-30兆ウォン(暫定)2020~2021年
韓国政府財政収支計:-100兆2,000億ウォン
企画財政部が2021年はまだ暫定としていますので、締まったわけではありませんが、「コロナ禍の2年」で韓国政府は100兆ウォンの赤字に陥ったのです。
当然足らない分は借金で賄(まかな)いますので、負債も増加しました。
2022年は良くなるのかというと全然そんなことはなく、現在補正予算の議論の最中でまだFIXしていませんが、政府案の「14兆ウォン」のままだとしても、統合収支は「-68兆1,000億ウォン」になると予測されています。
つまり、2021年の倍の赤字になるというのです。
結果、政府負債はどうなるかというと、中央政府と地方政府の負債を合算した「D1」基準でも「1,075兆4,000億ウォン」に達するという予測です※。
これだけでも「どうするんだろう」という話なのですが、さらに暗雲なのは次期大統領選挙で各候補が「お金をまくぞー!」という公約をばらまいていることです。
当然、そのような財政余力はありませんので、国債を発行して政府負債をさらに積み上げることになるでしょう。韓国政府の財政はこのように暗鬱な状況に陥っています。
※本来であれば、『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)の使う「D2」で出すべきなのですが、なぜか韓国政府の発表はいつも「D1」です。政府負債を少なく見せたいためかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)