韓国で大統領に成りおおせた李在明(イ・ジェミョン)さんの政権が始まりました。
2025年06月19日、国務会議において「第2次補正予算」が可決され「30兆5,000億ウォン」を追加で支出することが確定されました。
Money1でも何度もご紹介しているとおり、韓国政府にはそのような支出を許容するような状況ではありません。税収が足りず、現在の予算だけでもアップアップで、韓国政府は中央政府から短借を繰り返すという、情けない状態なのです。
この30兆5,000億ウォンは、大半が国債発行によって賄われると見られています。
民間でお金が回らないときは政府がお金を回す――というのは別に間違っていません。
この点については李在明(イ・ジェミョン)さん自身も「政府が借金をしてはならないというのは間違いだ」と述べています。
李在明(イ・ジェミョン)さんの発言は間違っていません。政府は一般の個人とは違います。同様に考えるのは間違いですし、また政府が借金するのは悪いことではありません。
これは「韓国政府の信用がどこまでもつか」という程度の問題です。
韓国政府の負債は、文在寅時代から急速に増加しました。これは支出を600兆ウォンを超過させ、その支出を借金で賄ったからです。
コロナ禍の不景気から経済を救うという大義名分もありました。問題はその後も600兆ウォン超えの予算を続けてきたことです。支出には下方硬直性があって、一度増やしたものを減らすことは容易ではありません。これは家庭でも同じです。
実際、韓国政府の予算は2025年度には673.3兆ウォンにまで膨らんでおり(第1次補正予算の13兆8,000億ウォンを含む)、これに第2次補正「30兆5,000億ウォン」を加えると、韓国史上初の700兆ウォン超えの予算となるのです。
――で、政府負債がどうなるかといえば……以下をご覧ください。
とうとう政府負債は1,300兆ウォンを超えることになります。
対GDP比を計算するときには「2020年の名目GDP:2,058兆ウォン」を統計基準とする――と『韓国銀行』が2024年06月05日に発表していますので(下掲の先記事)、

「1,300.6兆ウォン」は「2,058兆ウォン」に対して、約63.2%にもなるのです。
李在明(イ・ジェミョン)大統領の下、韓国政府の負債はこれからも増えるでしょう。海外の投資家の目はどこまで「韓国政府の負債増を許容する」でしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)