韓国「進むも地獄、とどまるも地獄」の金利問題

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2022年03月16日、アメリカ合衆国FOMCが39カ月ぶりに利上げを決定しました(2018年12月以降初のこと)。

利上げが継続されることが予想されますので、韓国もこれに対応して利上げを行わないとなりません。

理由は簡単で、合衆国と韓国で金利差が十分なものでなければ資金が流出するからです。お金はより増えるところに流れていきますから、韓国より合衆国の方が金利が高ければ資金は合衆国に流出します。

利上げが継続すると……

『韓国銀行』も金利を上げざるを得ないのですが、問題は韓国では家計負債が異常なほど増えていることです。日本の一般メディアでも報じられていますので、読者の皆さまもご存じのとおり、韓国の家計負債はすでにGDPを超えており、非常に危ない状態です。

合衆国に追随して金利を上げていくと、金利上昇によって負債の利子負担が増加して、特に低所得の家庭では負担増に耐えかねて破綻する可能性があります。

家計だけではなく、小商工人・個人事業主、零細企業の負債返済、また資金繰りにも大きな影響を及ぼします。これまでは低利で資金を借りられたものが、金利が上がりますから負担が増加します。これまでの負債をロールオーバーできたとしても利払い負担は増えざるを得ません。

韓国のゾンビ企業(営業利益で元利返済ができない企業)はコロナ禍もあって増加。

2021年10月27日に『韓国銀行』が公表した「2020年の年間企業経営分析」によれば、2020年の段階でゾンビ企業は40.9%に達しています。

⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「2020年の年間企業経営分析」

これら企業が負債返済負担の増加にどこまで耐えられるのか非常に懸念さえます。

これら家計、企業で大量の破綻が発生した場合、不良債権が急増、社会不安を醸成すると共に金融機関が不良債権を抱えることになります。不良債券が巨額になると、次に金融機関の健全性が揺らぎます。

合衆国の金利上昇でどの程度の影響を受けるのか

2022年03月17日、あの『全国経済人連合会』が興味深いリポートを上げています。

同リポートによれば、合衆国は短期国債(6カ月物)利回りが2.14%になるまで金利を上昇させると予測しています。

この金利上昇に韓国が追随した場合、韓国の家計貸し出し金利は「2.26%」上昇し、年間の融資利子負担額は「39.7兆ウォン」(約3兆8,906億円)と推計しました。同リポートの推計は家計のみですが、企業も含めればさらに巨額の返済負担増になります。

⇒データ出典:『全国経済人連合会』公式サイト「【韓国経済研究院】米国の金利引き上げに対する韓国経済の影響」

進むも地獄でとどまるも地獄

韓国が金利を上げなければ。前記のとおり韓国からの資金流出が大きくなります。

その規模推計も『全国経済人連合会』のリポートの中にあります。

同リポートは、韓国の市場から「31.5億ドル」(約3,775億円)が純流出すると予測しています。
 
 
――というわけで、合衆国に追随して金利を上げると、家計負債・企業負債の爆弾が破裂するかもしれず、かといって金利を上げなければ、外国人の資金流出が大きなものになります。

まあ金利は上げないと仕方ないのですが。ですので、韓国については負債爆弾が破裂しないかどうかを注視する必要があります。先にご紹介したとおり、南欧型経済危機を迎える可能性が否定できませんし。

(吉田ハンチング@dcp)

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