『中央日報』にまた「通貨スワップ」※1の記事が出ました。今度は、シンクタンクの研究院からの提言を取り上げているのですが、
『資本市場研究院』のイ・スンホ研究委員は、
合衆国と締結した「スワップライン」を利用して調達したドルを、銀行以外の金融機関にも回せ。
と主張しているとのこと。同記事から一部を以下に引用します。
(前略)
「証券会社の外貨流動性危機が外国為替市場全体に転移しないよう、非常時の迅速な流動性支援体系を強化する必要がある。外貨準備高や韓米通貨スワップ資金などを利用した外貨貸付が、緊急資金が必要な銀行以外の金融機関に、迅速で円滑に供給できる案を講じることが重要だ」
(後略)⇒参照・引用元:『中央日報(日本語版)』「韓国資本市場研究院『韓米通貨スワップ資金、銀行以外の金融機関への供給案も講じなければ』」
さすがに学者らしいクドい文章ですが、言っていることは上掲のとおり「銀行以外の金融機関にもドルを回せ」です。
銀行以外の金融機関というと「証券会社」「保険会社」「ノンバンク」といったところですが、このイ・スンホ研究委員は、例の「ELS」※2の研究などをしていらっしゃるので、恐らく「証券会社」にも、ドル流動性スワップで調達したドルを供給せよ、とのことなのでしょう。
ドル流動性スワップで調達したドルは、
『NY連邦準備銀行』⇒『韓国銀行』⇒落札できた市中銀行
と流れます。証券会社がドルの競争入札に参加できるかどうかは『韓国銀行』の判断(FED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)の了解も必要)でしょうが、
レバレッジを効かせた商品のヘッジに失敗し、外貨建ての追い証で飛びそうな証券会社
にドルの調達に参加させてやるというのは、いかがなものでしょうか?
※1韓国メディアは「通貨スワップ」、時に「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。
※2「ELS」については以下の記事を参照してください。ただし、「ノックイン・オプション」についての説明が入っていませんので、その点に注意してください。
(柏ケミカル@dcp)