傑作な事態です。韓国・文在寅大統領が行ってきた経済政策が全てひっくり返されました。いや、全否定されることが決定的になりました。
2022年03月21日、尹錫悦(ユン・ソギョル)次期大統領が経済団体6つの長との昼食懇談会を持ちました。
『大韓商工会議所会長』
『韓国貿易協会会長』
『中小企業中央会会長』
『韓国経営者総協会会長』
『韓国中堅企業連合会会長』
の会長がそろったので、なかなか豪華なメンバーといえます。
Money1でもおなじみ、我らの『全国経済人連合会』、許昌秀(ホ・チャンス)会長も参加しています(許会長は韓国経済が危うくなるとすぐに「通貨スワップ」と言い出す人です)。
以前にもご紹介したことがありますが、『全国経済人連合会』は文政権ができてからは冷や飯を食わされてきました。公式行事にも呼ばれないなど冷遇されてきたのです。尹政権になったら復権しそうな雰囲気となりました。
本件を報じた韓国メディア『韓国経済』の記事から尹錫悦(ユン・ソギョル)さんの発言を引用してみます。
(前略)
尹当選者は、「経済学的には所得が上がるのが経済成長で、結局は企業が成長すること」とし
「(企業活動の)妨害要素がどんなものなのかを知るりたいので、今後そのようなことについてアドバイスを続けてほしい」とお願いした。
続いて「わが国は政府主導から民間主導経済に完全に変貌しなければならないし、(私は)自由市場経済に対する信頼を強く持っている」
とし、
「政府はインフラを作って、その後には(企業を)助け、企業が先頭に立って大きな企業でも小さな企業でも雇用を作り出して投資を行うなど、企業が大きくなると国が大きくなる」
と付け加えた。
(後略)
尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは「わが国は政府主導から民間主導経済に完全に変貌しなければならない」と述べ、文政権の「所得主導経済」「雇用は政府が作る」という世迷い言を完全否定しました。
これは韓国経済にとってはよいことです。
日本ではあまり知られていませんが、尹錫悦(ユン・ソギョル)さんのお父さん、尹起重(ユン・ギジュン)さんは経済学者で『延世大学』の名誉教授。日本の『一橋大学』に学んだこともあります。
ネット上では、「韓国経済の不平等分析」という1999年に文化賞を受賞した尹起重さんの論文を確認できます(以下がURL)。
お父さんのことはともかく、尹錫悦(ユン・ソギョル)さんが企業の自由な活動が国を富ませるという考えを持っているのは韓国企業にとっては朗報です。
なにせ文政権は大企業を目の敵にして、政府与党は立法府で企業を規制する法律ばかりを通してきました。『全国経済人連合会』はじめ経済団体、シンクタンクからは文政権の施策を苦々しく思い、苦言を呈してきたのです。
今回集った経済団体会長の皆さんはほっとひと息ついたのではないでしょうか。
一方の文在寅大統領は「民間主導と言いやがった」と歯ぎしりして悔しがっていると思われます。しかし、経済政策を間違ったのですから否定されても仕方ありません。
(吉田ハンチング@dcp)