2023年01月19日、日本の財務省から「2022年の貿易動向」のデータが公開されました。まず、以下のデータをご覧ください。
⇒参照・引用元:『日本国 財務省』「財務省貿易統計」
日本の2022年の貿易収支(輸出 – 輸入)は「-19兆9,713億円」となりました。輸出が対前年比で「20.9%」伸びましたが、輸入が「40.4%」も伸びて、結局貿易収支は対前年比「1,019.7%」、つまりは10倍以上になったのです。
これを受けて、またぞろ韓国メディアに「昨年の貿易赤字20兆円『史上最大』」(『ソウル経済』)などの記事が出ています。
韓国では(通関ベースとはいえ)貿易赤字が過去最大になった、また11月の経常収支が再び赤転したものですから日本も道連れにしたいのかもしれません。
しかし、韓国とは違って、日本は貿易収支が赤字になったところで経常収支は黒字なのです。以下が今回財務省が公表した11月のデータです。
2022年11月
貿易収支:-1兆5,378億円
サービス収支:-1,664億円
第1次所得収支:3兆7,245億円
第2次所得収支:-2,166億円
経常収支(上記4つの合計):1兆8,036億円
上掲のとおり、なるほど貿易収支は「-1兆5,378億円」と巨額の赤字です。ところが、外国からの所得を計上する第1次所得収支は「3兆7,245億円」と驚くほどの黒字。
結果、貿易収支が大赤字にもかかわらず、日本の経常収支は「1兆8,036億円」の巨額黒字でまとまりました。
2021~2022年に韓国の企画財政部が強弁していたとおり、経常収支が黒字であれば総体としてはOK。問題はありません(基本的には)。
これが韓国と日本の大きな違いで、韓国は国際収支統計で貿易収支が赤字になると、とたんに経常収支が怪しくなります。ちなみに韓国の2022年11月の経常収支がどうだったのかというと……。
2022年11月
貿易収支:-15億6,720万ドル
サービス収支:-3億4,330万ドル
第1次所得収支:14億3,340万ドル
第2次所得収支:-1億4,460万ドル
経常収支(上記4つの合計):-6億2,170万ドル⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
上掲のとおり、貿易収支が赤字になると経常収支も赤字転落で「-6億2,170万ドル」で締まっています。
ですから、韓国メディアがいくら「日本の貿易収支は巨額の赤字」と揶揄しても、全くのから騒ぎです。
2022年の通年の経常収支も日本は黒字です
そうそう、『日本経済新聞』が「日本の経常収支は2022年には9兆8,000億円の赤字を出す」という予測を報じたことがありました。
韓国メディアはそれにノッて日本を揶揄していたわけですが、2022年01~11月の経常収支合計はどうなっているのかというと……。
2022年はあと1カ月を残して計「11兆4,100億円」の黒字です。
さあ日本の2022年の経常収支は「-9兆8,000億円」になるのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)