2022年には約30兆ウォンの赤字を出すといわれている『韓国電力公社』(以下『韓国電力』と表記)。
上期の営業利益が「-14兆ウォン」でしたから、予測は当たらずとも遠からずになると見られます。
以下は毎度おなじみ「DART」に公示された『韓国電力』の上半期の決算です。
2022年第2四半期
総売上:15兆5,280億3,500万ウォン
営業利益:-6兆5,163億4,800万ウォン
当期純利益:-4兆8,358億2,000万ウォン2022年上半期
総売上:31兆9,921億500万ウォン
営業利益:-14兆3,032億7,000万ウォン
当期純利益:-10兆7,617億4,400万ウォン
極めて財務状態が悪化している『韓国電力』ですが、社債の発行し過ぎでデフォルトするのでないか、という報道が出ています。
このままいくと確実に「資金調達が詰まる」
『韓国銀行』は上掲のとおり、大赤字ですので資金調達を行わないと回りません。そのため国会に、社債の発行限度額を現行規定である「『資本金+積立金』の2倍」から「8倍」に拡大する案、また発行限度の規定事態をなくす案を提出しました。
借金ドライブを拡大する提案です。
2021年の社債発行限度額は「91兆8,000億ウォン」でしたが、これが2022年には「29兆4,000億ウォン」と大きくカットされました。
なぜこんなことになったかというと、大赤字が連続して「資本金+積立金」の規模が激減。そのため2倍の発行限度額という規定に引っかかって社債が積めなくなったのです。
で、このままいくとさらに社債発行限度額は下がります。なぜなら、2022年の決算時には内部留保が払底すると見られているからです。
で、どうなるかというと――社債発行による資金調達がまともにできなくなり、しかしこれまで発行した分の社債の利払い、償還が来るとロールオーバーもできずにデフォルト――というシナリオが考えられるわけです。
ここまで『韓国電力』は不足する資金の90%以上を社債発行で賄ってきたのですが、発行限度の規定がある以上、先は真っ暗です。
そのため、『韓国電力』は限度額規定を外してくれと愁訴しているのです。
『韓国電力』は公社なのでケツは韓国政府がもちます。最後は血税投入で救うことになるので、飛ぶことはありません。そもそも、韓国の電力インフラを支える公的企業ですから飛ぶことは許されません。
Money1では何度もご紹介しているとおり、『韓国電力』がこのような事態に陥っているのは、全部前文在寅政権のせいです。
脱原発を掲げて、まだ使えるしコスパがいいという原発を廃炉にし、建設にGoが出た原発建造も止め、太陽光・風力発電施設を乱造して『韓国電力』に高値で電気を買わせ、電気料金を上げることを認めず――そこに資源価格の急騰が直撃。
『韓国電力』を「売電するほど赤字」という状況に追い込みました。
「資源価格の急騰」は文在寅のせいではありませんが、これをとどめの一撃になるように状況を整えたのは紛れもない文在寅その人です。
もし、『韓国電力』がデフォルト(あるいはデフォルト寸前で税金投入)なんて事態になったら、吊るされるのは文在寅前大統領でなければなりません。
(吉田ハンチング@dcp)