韓国メディアでは韓国造船企業の受注が好況だという記事がよく紙面を賑わせます。
例えば2022年04月06日、『ChosunBiz』には「韓国造船業第1四半期受注シェア50%…1996年以来最高」というタイトルの記事が出ています。
記事の中身は「グローバル船舶受注で世界発注量の51%を占め、1位を守った」というもの。この51%というシェアはデータが公開され始めた1996年以降で初めてのことです。
なかなか勇ましい記事なのですが、では実際の韓国造船会社の業績はどうなっているのか見てみましょう。
韓国造船産業のビッグ3といえば、『サムスン重工業』『大宇造船海洋』『韓国造船海洋』の3社です。2021年の業績がまとまっていますので、以下をご覧ください(連結決算表)。
データは全て毎度おなじみの『DART』から引用していますので、正式に公示されたものです。
総売上:6兆6,220億ウォン
営業利益:-1兆3,120億ウォン
当期純利益:-1兆4,521億ウォン総売上:4兆4,866億ウォン
営業利益:-1兆7,547億ウォン
当期純利益:-1兆6,998億ウォン総売上:15兆4,934億ウォン
営業利益:-1兆3,848億ウォン
当期純利益:-1兆1,412億ウォン
上掲のとおり、ビッグ3は全てひどい赤字で締まっています。
本業のもうけを示す営業利益は3社合計で「-4兆4,515億ウォン」(約-4,452億円)に達します。
2020年末から受注のジャックポットと誇っていたのですが、2021年も3社全て巨額赤字となりました。2022年こそ黒字にすることができるのでしょうか。
世界一の受注実績かもしれませんが、韓国造船産業の現状はこのようなものなのです。
(吉田ハンチング@dcp)