ロシアのテクニカル・デフォルトが確定しました。
2022年04月06日、ロシア財務省が04月04日に支払われるべき「外貨建てロシア国債の利払い:6億4,920万ドル」をルーブルで支払ったことを公表しました。
以下がロシア財務省の公式プレスリリースです。
ロシア財務省は、2022年に満期を迎えるロシア連邦の外債、発行番号12840060V「ロシア-2022」(ISIN: XS0767472458 / US78307ADC45)のクーポン収入およびクーポンの名目価額の支払いの実行と2042年満期のロシア連邦の外債、発行番号12840061V「ロシア-2042」のクーポンの支払いを拒否したと通知しました。(ISIN: XS0767473852 / US78307ADE01) の総額649.2百万ドルで、2022年4月4日に償還期限を迎えます。当該社債の発行書類に基づき、2022年03月30日および2022年03月31日にそれぞれ償還されました。
アメリカ合衆国財務省の非友好的な行動により、ロシア財務省は、上記債券に基づくロシア連邦の国債債務を履行し、上記証券の保有者の利益を尊重するために、ロシアの金融機関に必要な支払いを依頼することを余儀なくされました。
2022年04月04日、財務省は、2022年03月05日付大統領令第95号(ルーブルで支払っても債務返済を履行したことにするという内容:筆者注)に従い、上記債務証券の全保有者との決済のため、預託先顧客に対し、ロシア連邦銀行の公式為替レートによる2022年04月04日時点のロシア連邦通貨で上記決済を行うため、NCO JSC National Settlement Depositoryに送金を行った。
これにより、「ロシア-2022」および「ロシア-2042」債に関する前述の債務が全額履行されたことになります。
(後略)
⇒参照:引用元:『ロシア財務省』公式サイト
上掲のとおり、ロシア財務省が定めるレートを使い、ロシアの通貨、すなわちルーブルで支払ったとしています。
また、「これで債務返済が全て履行された」と述べています。
とんでもない話です。先にご紹介したとおり、ドル建て債の元利償還をルーブルで行ってもいいなんて契約書にはなっていません。
これでロシアは「テクニカル・デフォルト」確定です。
テクニカル・デフォルトというのは、支払い能力があるのに債務不履行状態に陥ることです。
「正式なデフォルトではない」みたいな認定になるかもしれませんが、契約条項を守らずに債務不履行ですから、少なくとも「テクニカル・デフォルト」ですよ。
(吉田ハンチング@dcp)