ロシアの中国産自動車輸入が激減! 99%減少したブランドも。ロシアも中国産自動車を締め出しにかかる

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ロシアは無法なウクライナ戦争を起こしたため、西側社会から経済制裁を喰らい、西側企業の自動車を(まともには)輸入できなくなりました。

この隙に入り込んだのが中国産のポンコツ自動車です。先にご紹介したとおり、西側企業がつくったクルマのような品質が担保されていないため、ロシア人も怒るのですが、ないものは仕方ありません。

先にご紹介したとおり、ロシアに入ったクルマは「零公里二手车(0km中古車)」も相当あったものと推測できます。

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0km中古車の件はともかくとしても、中国産のポンコツ自動車にとってロシアは大きな輸出市場となりました。ロシアのドメスティックな自動車メーカーである『LADA(ラーダ)』だけが孤軍奮闘するものの、残りは全部中国産となるほどの追い詰められ具合です。

ソ連時代の1966年に設立されたブランド。旧ソ連の「国民車」として長らく親しまれてきたブランドです。初代モデルはフィアットと技術提携した「VAZ-2101(通称コペイカ)」で、1970年に登場。製造会社は『АвтоВАЗ(AvtoVAZ)』。

しかし、2025年に事態は急変しました。

中国産ポンコツ自動車の輸入が63%も減少!

ほぼほぼ上半期のデータが締まったのですが、中国産ポンコツ自動車の輸入が激減したことが分かったのです。

2025年01~02月時点で対前年同期比「-16.9%」、02月は9万台で前年同月比29%減、前月比11%減でした(中国語メディア『第一財経』)。

この時点で「うん?」だったのですが、これが減少を続けます。

2025年上半期時点の結果について、ロシアメディア『fontanka.ru』の記事から引用すると以下のような具合です。

『fontanka.ru』は、ロシア・サンクトペテルブルクに拠点を置くオンラインメディアです。

ロシアへの新車の輸入が6月に63%減少し、中国ブランドは供給を減らしたが、「代替」ブランドの輸入は増加したと、07月05日、自動車統計機関「アフトスタット(Автостат)」のセルゲイ・ツェリコフ所長が自身のテレグラムで報告した。

ツェリコフ氏によれば、2025年06月にロシアに輸入された新しい乗用車はわずか2万5,800台で、前年同月(6万9,400台)に比べて63%の減少となった。

これまで存在感を増していた中国ブランドは、輸入を大幅に縮小した。

夏の最初の月には、Jetour(ジェトゥール)、Jaecoo(ジャエクー)、Omoda(オモダ)の輸入がほぼ行われず、供給は99%以上減少した。

Chery(チェリー)の輸入は97%減、Exeed(エクシード)は83%減少した。

比較的安定しているとされるChangan(チャンガン)やGeely(ジーリー)でさえも、依然として輸入トップではあるものの、輸入台数は3分の1以上減少した。

全体として、中国ブランドの供給は73%減少したとツェリコフ氏は指摘する。
(後略)

⇒参照・引用元:『fontanka.ru』「Китайский откат. Импорт авто в РФ рухнул на 63%, но «серые» Toyota и BMW бьют рекорды」

『タス通信』によるとこうです。

2025年上半期のロシアにおける中国製乗用車の新車販売台数は、前年同期比30%減の29万1,600台となった。この期間、中国メーカーは市場全体の55%を占めたと、分析会社「アフトスタット」が『タス通信』に算出した。

「『アフトスタット』によると、2025年上半期にロシアで販売された中国ブランドの新車は29万1,600台で、市場全体の55%を占める。

この結果を1年前(2024年の6カ月間)と比較すると、『中国製』車の販売は30%減少した」と同社は報告した。
(後略)

⇒参照・引用元:『タス通信』「Продажи новых китайских авто в РФ за полгода снизились на 30%」

2025年上半期、中国産ポンコツ自動車の販売数は、対前年同期比で「-30%」となったのです。

なぜこのように急減したのでしょうか。以下の4点が指摘されています。

1. 廃車税(ユーティリティー料)の大幅引き上げ
2024年10月と2025年01月にロシア政府が輸入車に対する廃車料を70~85%、さらに10~20%上乗せし、累積で2倍以上に引き上げたことが最大の要因とされています。

これにより中国車の価格が10~15%上昇し、輸入と販売に大きな打撃を与えました。

2. 市場の過剰在庫と需要減退
2025年初頭にはすでに22万9,592台が輸入され、前年比で約半減しており、在庫過剰や供給過多の状況が明らかになりました。

同時にロシア経済が減速し、利率の上昇(現在20%以上)に伴い、車のクレジット購入が抑制され、大口需要が冷え込んでいるとの指摘もあります。

3. 政策的不確実性による供給縮小
高税の影響もあり、中国側輸出業者も過剰在庫リスクを嫌い、供給量を抑制する姿勢を強めています。

一部メディアは、輸入環境の不透明さや中国車に対する保護主義的対応(安全・コンプライアンス強化)も供給抑制の背景として挙げています。

4. 西側ブランド復帰への期待
西側からの輸入車ブランド復帰の可能性も消費者心理に影響し、中国車離れを助長しているとの見方があります。

ただし上掲記事にもあるとおり、輸入自動車自体が影響を受けており、中国産ポンコツ自動車だけが減少したわけではありません。

面白いのは、ロシア市場における電気自動車の販売台数が減少していることです。前年同期比で57%の急減となっています。

ロシアは中国産のポンコツ自動車を締め出しにかかっていると見ることができます。

(吉田ハンチング@dcp)

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