韓国メディア『ソウル新聞』が傑作な記事を出しました。
「『無料の原潜』などなかった。ドナルド・トランプ合衆国大統領にはすべて計画があった」がタイトルです。
韓国大統領に成りおおせた李在明(イ・ジェミョン)さん、また魏聖洛(ウィ・ソンラク)大統領室国家安保室長が、まるで最高の成果を上げたみたいに語ってきた「トランプ大統領による原子力潜水艦の建造承認」が、まったく「そんなことはない」という話をしています。
Money1でもご紹介したとおり、そもそもホワイトハウスが公開したファクトシートにも、
❶米韓二国間の123協定と、合衆国の法的要件に従うことを条件として
❷平和目的での民生用ウラン濃縮および使用済み燃料再処理へと至るプロセス
と書かれています。大統領が承認しても、123協定および合衆国法の要件に従うこと――となっているので、核燃料を勝手に造ることはできません。
また「民生用ウラン濃縮」と書かれている以上は、原潜の核燃料になるような高濃縮は許さないといっているのです。
先の記事でご紹介したとおり、このファクトシートは合衆国大統領が何と言おうが、勝手に原潜用核燃料を入手することなど許さんといっており、きっちりカタにハメられています。少なくとも、合衆国議会が法改正を許可しなければ実現不可能です。
タダの原潜ギフトなんかねーよ!
――その理解の上で、『ソウル新聞』の記事から一部を以下に引用します。
14日、ソウル市内のある場所で内外信記者らと会ったダリル・カドル米海軍参謀総長は、韓国が原子力推進潜水艦(原潜)建造の推進を公式化したことについて、「その潜水艦が中国を抑止するために活用されるというのは自然な予測だ」と語った。
韓国の原子力推進潜水艦(原潜)は、単なる「贈り物」ではなく「中国けん制用」である、という意味だ。
韓国を対中圧迫の核心的パートナーとして固めようとするトランプ大統領の「大きな絵図」が読み取れる部分である。
カドル総長は、「合衆国は同盟と共に協力し、核心的かつ競争的脅威である中国に関する共同目標を達成することを期待している」とし、「韓国も相当部分で中国への懸念を共有していると考えており、戦略的計算に含まれるべき要素だ」と述べた。
(中略)
また、「台湾有事の際、在韓米軍や韓国軍が役割を果たすべきだと見るか」という質問には、「大国間の衝突が発生すれば『戦力総動員』に近い状況になる」とし、「具体的にどのような方式になるかは言えないが、明らかに一定の役割はあるだろう」と語った。
(後略)
カドル米海軍参謀総長は、韓国が原潜を保有すれば、当然「合衆国と共に中国を牽制されるために使われる」と述べ、また台湾有事となれば「在韓米軍や韓国軍が何らかの役割を果たすことになるだろう」と述べました。
これを「無料の原潜なんかないよ」――と記事タイトルにしているのです。
早い話が、「台湾に謝謝、中国にも謝謝」なんて態度は許さん――といっているのです。
先にご紹介したとおり、李在明(イ・ジェミョン)さんは訪韓したトランプ大統領に「原潜の核燃料を提供してください」と泣きつき、その際に「ディーゼル潜水艦は潜航能力が劣り、北朝鮮や中国側の追跡活動に制限がある」と述べました。
中国の脅威を言い訳にしたのです。
その後、あれは特定の国をいったのではない――と中国にとりつくろいましたが、後の祭りです。合衆国は「韓国の原潜は北朝鮮と中国(の潜水艦)を追跡するために使うんだよな?」とまともにとったよ――というわけです。
中国も韓国の原潜保有に懸念を表明している!
そうそう、中国もまた「韓国の原潜保有」に懸念を表明しています。
韓国メディア『東亜日報』の記事から一部を以下に引きます。
戴兵・駐韓中国大使(写真)は、米国が韓国の原子力潜水艦(原潜)建造を承認したことについて「中国は懸念を表明した。各国の懸念を十分考慮し、慎重に処理してほしい」と述べた。
韓国大統領室が原潜建造に関して「中国に対して説得できたと考えている」と説明した中、中国が改めて公に懸念を表明した形だ。
戴氏は13日午後、ソウル市中区の駐韓中国大使館で開かれた記者懇談会で、「強調したいのは、現在の韓半島・地域情勢が依然として複雑かつ敏感だという点だ」とし、「米韓の原潜協力は単なる商業的協力の次元を超え、世界的な核不拡散体制および韓半島地域の平和と安定に直結する事案だ」と述べた。
(後略)
当たり前ですが、中国からすれば合衆国に味方するかもしれない韓国に原潜を持たせるわけにはいきません。
どちらにも謝謝するようないい加減なヤツを味方だとは考えられないので当然のことです。
(吉田ハンチング@dcp)






