世界的に中国に投資するリスクがあらためて認識される状況となっています。
中国リスクを嫌って工場・オフィスを中国から移転する企業もあります。法の上に中国共産党が鎮座まします中国では、何をされるのか分かったものではありませんので、そのような動きがあっても至極当然のことといえるでしょう。
新冷戦の焦点となっている台湾では、政府が中国本土に進出した企業の台湾回帰を支援する動きを強めています。
中国本土(正確には外国)から台湾に戻ってくる「投資」を行うのを支援する――という制度を2019年01月から設けており、国家産業団地を最大2年まで無償貸与し、低利の事業資金融資を提供します。
いわば「re-shoring(リショアリング)のススメ」です。
「中国から脱出せよ!」
台湾メディア『自由時報』によれば、2022年01月07日までの集計で、政府の「リショアリング投資優遇支援事業承認」を受けた台湾企業は255社に上り、投資規模は1兆390億台湾ドル(約4兆2,911億円)に達するとのこと。
また、恩恵を受けた台湾企業のほとんどが中国本土進出組とのこと。
さらに、このリショアリングによって台湾に8万個の雇用創出が期待されるとしています。
もともとは2021年末でこの制度は終わる予定だったのですが、台湾政府は2024年までと3年間の延長を決定しました。中国本土の政治環境が懸念される中、台湾に回帰する企業はさらに増えるものと予測されています。
この3年間で期待される投資金額は9,000億台湾ドル(約3兆7,170億円)です。
中華民國經濟部(経済部:経済産業省に相当)の統計によれば、2021年(01~11月)の台湾から中国本土への投資は47億9,000万ドル(約5,456億円)で、これは対前年同期比で「14.5%減少」です。
台湾はサプラチェーンの組み直しに積極的に対応をしています。中国共産党にとっては大変苦々しいことでしょうが、身から出たサビなので仕方がありませんね。
(吉田ハンチング@dcp)