「日本にいる中国大使」泣きと脅し。嫌われてるのは分かっている模様

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日本の半導体製造装置関連の対中国輸出管理強化が次月に迫ってきました。

今のところ、日本は中国に対してこの措置を緩める動きは見せておりません。日限が迫ってきたためか「中国大使が日本の施策について非難した」という記事が、中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』に出ています。

駐日中国大使館のホームページを見に行くと、日本に対する非難(というか説教に近い)は日本語では出ていません。中国語では出ています。

直に見たい方は、駐日中国大使館のホームページで右上にある「言語切り替え」のボタンで「中文」を選んでください。


↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください/スクリーンショット

⇒参照・引用元:『駐日中国大使館』公式サイト「驻日本大使吴江浩在日本国际贸易促进协会发表演讲」

駐日中国大使である呉江浩さんが2023年06月02日、「日本国際貿易促進協会」で行った講演内容のプレスリリースですが、該当箇所を以下に引用します。

(前略)
呉江浩は、中国経済は今年第1四半期に良いスタートを切り、予想を上回る業績を上げ、GDPは前年同期比4.5%増となり、大きな回復力と潜在力を示したと述べた。

重要なポジティブシグナルは消費市場の急速な回復で、最終消費は経済成長率に66.6%寄与し、経済成長を牽引する最も重要な要因となっている。

今年のメーデー連休中、中国の国内観光客数は2億7,400万人、前年同期比70%増、観光収入は約1,500億元と、いずれも流行前の水準を上回っており、中国経済の回復力を如実に表している。

今年の第1四半期、中国は実際に580億ドルの外資を活用し、1万社以上の外資系企業が新たに中国で設立され、毎日4億7,000万米ドルの外資が中国に流入し、3億2,000万ドルの中国の投資がグローバルに展開している。

日本の経済界が中国との協力に確固たる自信を持ち、より多くの投資をしてくれることを願っている。

日中関係の現状は深刻かつ複雑で、多くの新しい問題、リスク、課題に遭遇しており、特にアメリカ合衆国は日中関係の安定した発展に影響を与える最大の外的課題となっている。

中国は、双方が日中4カ国政治文書で確立された原則の基礎に立ち返り、パートナーであり、互いに脅威とならないという重要なコンセンサスを真に実践し、両国関係の正しい方向性をしっかりと把握すべきであることを常に主張してきた。

ここしばらく、日本は中国を「史上最大の戦略的挑戦」と公然と位置づけ、G7サミットなどでは合衆国に追随して積極的に中国を封じ込めることに協力してきた。

このような否定的な傾向は、経済・貿易分野にも波及し、両国の経済共同体間の協力に対する信頼を失いつつある。

日中経済貿易協力の健全な発展を維持するために、双方は次の点に注目すべきである:

第一に、我々は「脱リスク」に警戒しなければならない。

一方では、中国から「脱リンク」しないと主張する国もあるが、他方では、いわゆる「脱リスク」という新しい表現をでっち上げた。

要するに中国との経済関係を人為的に弱め、断ち切ること、すなわち「脱中国化」である。これも「脱中国化」だ。

日本でも、政治リスク、法務リスク、サイバーリスク、サプライチェーンリスクから、台湾海峡情勢を利用して戦争リスクを推測したり、最近では中国でスパイ活動で逮捕・拘束された人がいて個人の安全保障リスクを煽ったりと、あらゆる「チャイナリスク」を煽る人がいる。

最終結論は中国からの撤退を促すことに他ならない。

中国と日本の経済貿易協力は基本的に相互依存、相互利益であり、中国は日本をリスクと見なし、ましてや企業に対して日本からの撤退を促したことは一度もない。

日本企業の大多数が明晰な頭脳と鋭い眼光を持っているが、一方で日本の対中貿易は減速していることが分かる。

今年第1四半期、日本の対中貿易は11.5%減少し、輸出は20%も激減した。この現象は深い反省に値し、この傾向を逆転させるべきである。

第二に、開放的な協力関係を維持することである。

日中経済貿易協力は公正で開放的、包括的でバランスの取れたものであるべきで、日中協力でできること、できないことを他国に決めさせることはもちろん、選択的、一方的に利益を得るようなことがあってはならない。

日本の経済界と話したとき、省エネや環境保護、年金や医療などの分野での協力は非常に肯定的だったが、科学技術の革新に関しては、日本側が避けているように感じられ、その理由は我々にも明らかである。

最近、日本政府は半導体の輸出管理措置を正式に導入した。

特定の国を対象とせず、「画一的なアプローチ」をとらないとしているが、方向性が非常に明確であることは間違いなく、中国は強い懸念を表明している。

半導体は日本にとって自動車に次ぐ輸出品目であり、中国への輸出品目としては第1位である。

日本側が日中半導体協力に制限を加えることにこだわれば、失うものは中国の巨大市場だけでなく、日本自身のビジネス上の評価や半導体産業の未来も失うことになる。

合衆国は半導体覇権の再確立を目指しており、合衆国が画策した道を歩めば、中国と日本の双方にとって、合衆国の一人勝ちという「負け組」になる結果しかないだろう。

日本側が状況を明確に把握し、合理的な判断を下し、中国側と協力して、Win-Winの協力という基調を維持し、オープンでスムーズな生産・サプライチェーンを維持し、両国の人々の当面の福祉を維持することを望む。

第三に、協力の勢いを回復・強化することである。

両国間の疫病の予防と対策が新たな段階に入り、長年蓄積してきた協力の需要が加速する中、両国の経済部門が積極的に行動し、各分野の相互交流と協力を一日も早く再開し、潜在力を深く掘り下げ、ハイライトを作り、レベルを上げ、中日共通の利益の絆を引き続き強化し、中日関係の改善と発展に新しい活力を絶えず注ぎ込んでくれることを期待する。

年初来、多くの中国代表団が日本を訪れ、経済貿易協力について話し合い、多くの日本企業や地方知事・市長も中国訪問に意欲を示し、両国の協力の新たな展望を切り開くことを期待している。

今年、中国は第3回「一帯一路」国際協力サミット、第6回国際輸入博覧会などの大規模な経済貿易イベントを開催し、日本企業や経済界が積極的に参加し、中国との協力でより大きな成功を収めることを歓迎する。

講演後、呉江昊は、中日デュアルカーボン協力、食品・農産物貿易、人民交流など、日本側が関心を持つ問題について参加者と意見交換を行った。

⇒参照・引用元:『駐日中国大使館』公式サイト「驻日本大使吴江浩在日本国际贸易促进协会发表演讲」

簡単にいえば、中国大使による「泣き」と「脅し」です。

厚顔無恥で凄いのは「互いに脅威とならないという重要なコンセンサスを真に実践し」などと言っています。もし中国が日本の脅威にならないというコンセンサスを実践していたら、こんな状態にはなっていないでしょう。

傑作なのは、G7広島サミットでキーワードとなった「de-risking」(デリスキング)を「脱中国」の言い換えに過ぎないときちんと理解できていることです。

また、日本人が考える中国のリスクについて、

・政治リスク
・法務リスク
・サイバーリスク
・サプライチェーンリスク
・台湾海峡情勢を利用した戦争リスク

と挙げ、「最近では中国でスパイ活動で逮捕・拘束された人がいて、個人の安全保障リスク」を煽ったりと、あらゆる「チャイナリスク」を煽る人がいる――と結んでいるところは圧巻です。

自分で分かっているじゃん!」ではないでしょうか。

そんな国にお金を投資したり、企業が進出したり、渡航したりする日本人がいるとでも思っているのでしょうか。

呉大使が「科学技術の革新に関しては、日本側が避けているように感じられ……」と言っているのは傑作です。日本人が中国を避けようとしているのは分かっているのです。

しかし、それでも怯まないところがド厚かましい中国の凄いところで、

「日本側が日中半導体協力に制限を加えることにこだわれば、失うものは中国の巨大市場だけでなく、日本自身のビジネス上の評価や半導体産業の未来も失うことになる」

と脅しをかけることも忘れていません。

中国を排除すれば、結果として「合衆国しか勝たない」というのです。

日本からすれば、中国が勝つよりはるかにマシです。

中国のような信用できない国について何が成せるというのでしょうか。合衆国と中国のどちらを取るのかという問いに対して「中国」と答える日本人がいるとでも思っているのでしょうか。

――で、最後に「第3回 一帯一路国際協力サミット」などがあるので「一つよろしく」です。つまりは「お金を出せ」です。

知るかっ!」という話なのですが、景気減速の兆しが見え、自由主義陣営国から本格的にハミゴにされつつある中国は、ビンボな国しか友好的ではありませんのでお金が回らなくなりつつあります。

一気に引くわけにはいきませんが、徐々に、しかし確実に中国から撤退し、お金と技術を出さないように絞って干上がらせる――これが最良の選択です。

(柏ケミカル@dcp)

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