中国は毛沢東時代の「下放」みたいな話になってきました。
中国国家統計局のデータによると、2023年04月の都市部の失業率は5.2%となりました。03月と比較して0.1%低下しました。2022年と比較して最低水準までになったとしています(どこまで実態を反映しているのか不明)、
しかし、より深刻なのは若者の失業率です。
この官製の統計においても、04月の16~24歳の若者の完全失業率は「20.4%」となっています。これは最悪と言われる「2022年07月:19.9%」を上回り、ついに20%を超えました。「2018年の統計開始以来の最悪」を更新です。
先にもご紹介したとおり、2023年には大学卒業者が1,158万人もおり、新卒の皆さんは「大学卒業即失業者」と自身の将来を絶望しています。
中国当局は完全失業「20.4%」としていますが、これは若い皆さんの肌感覚からは全く乖離した数字と見て間違いありません。
当局局の報道官は、若者の仕事がないことについて、「関連部門は現在、対象を絞った支援を提供するための政策を積極的に導入している。政策効果が徐々に表れてくることで、雇用は回復すると信じている」と述べた。
報道官が信じるのは勝手ですが、「政策効果が本当に表れるのか」は疑問です。Money1でもご紹介しているとおり、中国のリオープニングで投資のチャンスなんていってるのは中国当局だけです。
習近平総書記が政争でIT業界と教育業界を潰したのが雇用が大きく喪失した原因の一つなので、自業自得です。
慣性のついたはずみ車みたいなもので、2024年以降も新卒大学生はどんどん出てきます。そのため、若者の失業率は(中国の景気が回復しない限り)ずんずん上がりますし、「仕事がない」という状況は続くものと考えられるのです。
中国における「若者の雇用がない問題」は中長期課題に考えなければならないでしょう。中国がピークアウトしたと見るなら当然です。
広東省は傑作で、「30万人の失業中の若者に仕事を探すために農村部に行くように求める」政策を提唱しています。「尼寺へ行け」ではなく「農村に行け」です。
かつて文化大革命の煽りで、都市部に余った若者を片付けるため、毛沢東さんが「下放」(上山下乡运动)なる施策を推し進めたことがあります。
農村に向かわされた若者は(農作業に不慣れでもあり)役には立たず、農民の皆さんからも邪魔にされたそうです。
若者の不満が政府に向けて爆発し、これが中国共産党の打倒につながらないように何か手を打たないといけません。
(吉田ハンチング@dcp)