C919という飛行機があります。中国初の国産旅客機ということで、中国メディアでも大きく喧伝されました。
2023年05月28日、初就航となったときにMoney1でもご紹介しましたが、「国産」となってはいるものの、国産化率は30%台にとどまっていると推測されています。
最も重要なエンジンが、そもそもアメリカ合衆国とフランスの航空エンジン合弁会社『CFMインターナショナル』製の「LEAP-X1C」ですし、一部には日本の『Panasonic(パナソニック)』製品なども使われている、と報じられています。
まず中国の航空会社『中国東方航空』が導入して初商用飛行に成功(上掲過去記事)。
2023年09月にブルネイの『ギャロップエア』が中国の『COMAC』(Commercial Aircraft Corporation of China,Ltdの略:中国商用飛機有限責任公司)※にC919を15機発注した、とのこと。
これは、中国産旅客機の初めての海外輸出の例になります。
2008年に設立してから、初商用飛行が2023年ですので、中国産旅客機C919は15年かかって達成されたことになります。しかし、15年かけてもエンジンは国産化が達成できなかった――ともいえるわけです。
海外の識者の皆さんが注目しているのは「安全性」です。
実は、C919絡みで不可解な機種変更劇が起こっています。
行きは「C919」で帰りは「A320」?
2023年06月29日、『中国東方航空』のC919を用いたMU9197便が上海から成都へと飛行。復路となったMU9198便では、C919が使用されませんでした。
本来であれば、MU9198便はそのまま同じ機体を使って成都から上海へ、12時30分に成都を離陸する予定だったのですが……離陸が14時16分まで遅れ、機種もC919から『エアバス』社製の「A320」に変更されました。
本件については何があったのか情報が出ていません。一部の識者からは「C919の商業飛行が始まってまだ短期間であるが、すでになんらかの性能問題にさらされているのではないか」と声が上がっています。
もちろん邪推に過ぎないかもしれません。しかし、中国にとってC919の運用はこれから経験を積んでいくことです。初めから何もかもうまくいくなんてことはありません。旅客機も研鑽を積んで技術を熟成していくしかないでしょう。これはどんな製品でも同じです。
中国という国は隠蔽体質なので、実際に不具合があっても公表したりはしません。そこが問題です。
(吉田ハンチング@dcp)