2020年10月27日、アメリカ合衆国のマルコ・ルビオ共和党議員(Marco Antonio Rubio)が「中国企業から合衆国の株式市場(金融市場)を守る」ための法案を提言しました。
アメリカ金融市場の完全性と安全性に関する法律
簡単にいうと、悪質な中国企業が合衆国の株式市場に上場するのを防ぎ、上場した後でも、その企業が合衆国にとって有害であれば上場廃止にすることができる法案です。
先からご紹介しているとおり、中国企業は合衆国市場に上場しては巨額の資金を入手してきました。しかし、上場に当たって合衆国と同様の監査をパスしているわけではないのです。そのため売上を粉飾してきことが発覚した『Luckin Coffee(ラッキンコーヒー:瑞幸珈琲)』のような事件が起こります↓。
ちなみに、中国企業が上場する際にほとんどフリーパスなのはオバマ政権のせいです。合衆国と同質の監査がなくてもいいよとチェック機能をザルにしました。
これまた先にご紹介したとおり、SEC(U.S. Securities and Exchange Commissionの略:合衆国証券取引委員会)は中国企業に対して十分な監査が行えないし、何かあったときにも損失を回収することが難しいことを2020年04月に認めています↓。
これ以上中国企業が合衆国市場で資金を調達することを許すな、投資家のお金を守れ、もし悪質な企業であることが判明したら市場からたたき出せ、というわけです。
ルビオ議員は自身の公式サイトで以下のような内容を含むプレスリリースを公開しています。
(前略)
「中国共産党による米国の資本市場の搾取は、合衆国の経済および国家安全保障に対する明確かつ継続的なリスクであり、対処しなければならない」とルビオ氏は述べた。「現在、合衆国の資本市場で活動している中国企業の多くは、共産党の軍事、スパイ活動、人権侵害、『軍事と市民の融合戦略』、および中国製造2025の産業政策に積極的に取り組んでいます。
アメリカの金融市場の整合性および安全保障法は、合衆国の資本市場で動いているこれらの企業を禁止し、彼らがもはや私たちの金融システムを活用することはできなくなるということを、共産党に明らかにしなければなりません」
「中国は合衆国の企業と同じルールでプレーしておらず、さらに悪いことに、これらの中国の企業のいくつかは、宗教的迫害を通じて奴隷労働を利用して前進している」とブラウン議員は述べた。
「これらの悪役はアメリカの市場で役割を果たさないはずです。だからこそ、このひどい悪いビジネス行動を終わらせるために働くルビオ上院議員と共に法案を提出できることを誇りに思います」
(後略)※ブラウンはこの法案の共同提案者マイク・ブラウン(Mike Braun)議員
⇒参照・引用元:『マルコ・ルビオ議員』公式サイト「ルビオ、ブラウンは、米国の資本市場を悪用する悪性の中国企業を禁止する法律を提案します」
(原文・英語/筆者(バカ)意訳)
マルコ・ルビオは「反中大将」!
ご存じない方は名前だけでも覚えて帰ってください。このルビオ議員は合衆国議員の中でも特に反中の急先鋒と目されている人です。
中国が合衆国と同様のエンティーティーリストを作成し、制裁を課すシステムを導入した際にも、ルビオ議員がリストに掲載されるのではないかとメディアで名前が出たぐらいです(しかも台湾メディア)。筋金入りの「反中大将」で通っており、中国本土でも相当名前が知られているのです。
もちろん日本ではそれほど有名ではありませんが。「反中大将」という言葉をご存じない方はぜひ以下の記事を参照いただけると幸いです。
(松田ステンレス@dcp)