中国外交部の王毅部長(外相に相当)が、あちこち駆け回ってはワンパンチもらうという失態を犯しています。
もともと王毅さんは、その気がありましたが「また」です。

↑上掲の先記事でご紹介しましたが、2020年には欧州を訪問し、行く先ごとにワンパンチもらってボッコボコにされるという傑作な事態となりました。
――で今回、中国の味方を求めて欧州各国に働きかけたのですが、仲間がいないどころかボコられるという「メンツ丸つぶれ」状態になりました。
「また」です。
対イギリス戦:ボッコボコにされる
●2025年11月18日

イギリス首相の国家安全保障問題担当大統領補佐官のジェローム・パウエルさんと会談(於:北京)。
本件について中国外交部が出したプレスリリースから注目ポイントを以下に引きます。
(前略)
王毅外相は、対日問題に関する中国の原則的な立場を詳しく説明し、イギリスが引き続き「一つの中国」原則を堅持し、中国と協力して第二次世界大戦の勝利の成果を守り続けることに期待を表明した。パウエル氏は、中国が今日の世界で極めて重要な役割を果たしており、イギリス労働党政権は中国と首尾一貫した永続的な戦略的な関係を構築し、各レベルでの定期的な対話をさらに強化し、実りある協力を推進したいと強調した。
(後略)
王毅さんは「対日問題で中国への支持」を訴えましたが、パウエルさんは「対日問題」については何も言及しませんでした。
●2025年12月01日
キア・スターマー首相がロンドン市内ギルドホールで開かれた「レディ市長晩餐会)」での外交・安全保障演説を行い、
「中国はイギリスに対して国家安全保障上の脅威(national security threats)をもたらす」
――と明言しました。
王毅外相の「イギリスを味方につける説得」はまったく効果がありませんでした。
対フランス戦:華麗にスルーされる
●2025年12月03日
王毅外相は北京でフランスのジャン=ノエル・バロ外相と会談を行いました。

本件について中国外交部が出したプレスリリースから注目ポイントを以下に引きます。
(前略)
王毅は、日本の現職指導者による台湾に関する誤った言論の本質と深刻な害悪について説明し、中国側の原則的立場を述べたうえで、次のように表明した。中仏はいずれも第二次世界大戦の戦勝国であり、鮮血をもって勝ち取った第二次世界大戦の勝利の成果を共同で守らなければならず、日本が台湾問題を利用して事を起こし、歴史を繰り返すことを決して許してはならない。
フランス側が引き続き中国側の正当な立場を理解し支持することを希望し、またそうなると信じている。
バロ外相は次のように述べた。
マクロン大統領は対中関係を極めて重視しており、とりわけ習近平主席との特別で深い友情を重んじている。
今日の世界は危機が四方に伏し、拡散し蔓延する態勢を呈している。安保理常任理事国として、フランスと中国は建設的な方法で世界の平和を共同で維持する責任がある。
フランス側は一つの中国政策を断固として奉じており、マクロン大統領の今回の訪問を通じ、両国国民間の友好と協力がさらに増進されることを期待している。
本訪問のために中国側が払った積極的な努力に感謝し、今回の訪問が豊かな成果を収めると確信している。
フランス側はEUの独立自主を推進することに尽力しており、EU・中国関係の発展を積極的に後押ししたいと考えている。
(後略)
王毅さんは必死に「日本を牽制するよう」訴えましたが、バロー外相は華麗にスルーして「日本ガー」とは述べませんでした。
そもそも「中華人民共和国が戦勝国」はおかしい!
王毅さんは、イギリスとフランスに「第二次世界大戦の戦勝国同士だからさあ……」と日本非難に加わるように水を向けましたが、両国とも、そんな話にはまったく乗りませんでした、
そもそも中華人民共和国の成立は「1949年10月」であって、なぜ1945年に終戦となった第二次世界大戦の戦勝国になれるのでしょうか。
日本は中華民国(現在の台湾)と戦争していたのであって、中国共産党に負けたわけではありません。
対アメリカ合衆国戦:ボッコボコにされる

●12月03日
アメリカ合衆国・トランプ大統領が「Taiwan Assurance Implementation Act(台湾保証実施法案)」に署名、成立しました。
中国との対立が深化している合衆国では、大笑いなことに「台湾保証実施法案」が成立しました。
――というわけで、王毅さんの「習近平さんの鉄砲玉をやってボコられる」という星回りの悪さは変わっていません。
(吉田ハンチング@dcp)






