アメリカ合衆国と中国の対立が深まっており、これは「中国共産党」の支配が瓦解するまで終わりません。
ニュースなどで報じられていますが、中国の外交部長(外務大臣・外相に当たります)である王毅さんが2020年08月24日から訪欧していました。
目的は明らかで、合衆国との対立が激しくなる一方なので欧州を味方につけよう(少なくとも中立を保持させよう)としたのです。
ドイツ経済は中国との結び付きが強いですし(『BMW』などドイツ自動車産業にとって中国はお得意さま)、イタリアは(よせばいいのに)中国の「一帯一路」計画に参画しています(協力覚え書きにサインしている)ので、王毅さんとしては「これはいけるやろ」だったのでしょう。
しかし、その結果たるや惨憺(さんたん)たる有り様で、王毅さんの訪欧は面目丸つぶれで終わりました。
行く先々で必ずパンチを喰らった周遊記
その面白すぎる旅路をご紹介します。
イタリア
①イタリアのコンテ首相は会談を拒否
②仕方がないので外相と会談
③ディ・マイオ外務大臣に「国家安全保障法の施行の影響に引き続き注意を払う」と言われる
オランダ
①ブロック外務相に「中国共産党によるウイグル人への弾圧、香港の自由への懸念」を表明される
ノルウェー
①王毅外相が「香港活動家にノーベル平和賞を与えることはできない」と発言して非難殺到
②王毅外相が「新型コロナウイルスは中国起源ではない」と発言して物議
フランス
①マクロン大統領に「ファーウェイの機器を規制はしないけど、通信セキュリティーが大事なのでフランスはヨーロッパの5Gを採用するだろう」と言われる
②マクロン大統領は会談後に公式声明を発表せず
③ドリアン外務相と会談するも会談後の記者会見はなし
ドイツ
①ドイツ訪問中の王毅外相が、台湾を訪問したチェコ上院議長に対して「高額を支払うことになるぞ」と恫喝発言して非難殺到
②共同記者会見の場で、マース外務相に「脅迫のようなやり方はそぐわない」ときっぱり言われる
番外 王毅外相が中国への帰路に立つと……。
①フランス外務省報道官が「チェコ側に立つ」「チェコに対する中国の脅威を受け入れることはできない」と表明
②ドイツ連邦議会のレットゲン外交委員長が「一つの中国の政策を認めるが台湾を訪問することは可能だ」「チェコが報復を受けないようEUは協力すべき」と発言
③ドイツのマース外務相は「チェコを支持する」と表明
というわけで行く先々でワンパンチをもらった訪欧だったのです。自分の発言で反発を招いているところが多々あり、とても同情はできません。中国という国の態度からいっても周囲が敵ばかりになるのも当然です。
この旅で、中国に味方をしてくれる国が増えたとは……。
(吉田ハンチング@dcp)