韓国の文在寅大統領が自身の業績(と本人が考えているもの)が消されそうなので、抵抗しています。
まずは、文大統領がぶち上げた「韓国版ニューディール」です。
二次電池、6G、AIなどを韓国の次世代の輸出を担う産業を育成する、として大々的に喧伝した政策です。政府が主導してお金も突っ込むのでファンドを組成して――という毎度おなじみの展開だったのですが……。
これが次期尹錫悦(ユン・ソギョル)政権では「消される」ことがほぼ確実視されています。
理由は簡単でお金がないからです。
尹新政権は例の50兆ウォンのばらまきを行いたいので、財源確保のためには、韓国版ニューディールの予算を削るしかないのです(赤字国債の発行を最小限に抑えたいので支出を大幅にカットするしかない)。
この動きを察知したのか、2022年04月07日、青瓦台・大統領府は「韓国版ニューディール昼食懇談会」を開催。
任期終了まで1カ月となり、韓国政府が力点を置いて推進した韓国版ニューディールの成果を点検し、これまでの労苦を奨励する席を設けました。
(中略)
韓国版ニューディールは特に国際社会で高い評価を受けています。
第4次産業革命と炭素中立時代の代表的な国家発展戦略で国際的に歓迎され、私たちが先に始め、途中から主要国も続き、世界が共に行く道となっています。
わが国だけでなく人類コミュニティの普遍的な政策方向となったのです。
韓国版ニューディールは大韓民国の未来であり、世界をリードする道です。
デジタル・グリーン大転換と包容性強化は、政府を超越して揺らぎなく推進すべき方向です。
国の未来のために必ず行かなければならない道として、次の政府でも発展し続けることを期待しています。
大韓民国が世界の流れに合わせて国際社会と協力していくために必ず行かなければならない道です。
大韓民国が先導国に進むことができる道でもあります。
政策の名前は変わっても政策の内容だけは守り、さらに発展させていきながら大韓民国の代表ブランド政策にしてくれることを心から願います。
(後略)
「韓国版ニューディール」は国際的に評価も高く、韓国が先に始めたら途中で主要国がついてきた――と認識していらっしゃいます。
韓国版ニューディールでなくても、6G開発、AI研究、炭素排出量を少なくするための取り組み、などはそれぞれ各国が行ってきており、別に韓国の後を追いかけたわけではないと思われるのですが……。
韓国が先導国になれるので、政府が変わっても引き継ぐように熱弁を奮っていらっしゃいます。
残念ながら上掲のとおり、予算カットされることはほぼ確実視されています。これまでのとおり、政権が変わったら前政権のぶちあげたなんとかファンドは立ち枯れするのでしょう。政策もまた忘れ去られるのではないでしょうか。
もちろん企業の投資・研究開発は続きます。補助金頼みのものでなければ……ですが。
(吉田ハンチング@dcp)