日本円がウォンに対しても安くなっており、韓国が大変困ったことになっています。
まず、以下の円ウォンチャートをご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用/円ウォンの直物はないのでクロス円です:日足)。
ご覧のとおり、円ウォンのレートは2020年03月の韓国のウォン安が最高に進んだ後、右肩下がりでウォン高方向に進行してきました。
現在の対円でのウォン高は2018年の01月以来の水準です。
円安で売上が18%も減少した!
この円安によって韓国の対日輸出企業が大変に困った状況になっています。
なぜ困っているのかというと、韓国企業は輸出の対価として円で受け取ることが多いからです。以下の『韓国銀行』公表の資料をご覧ください。
輸出先の地域によって決済にどの通貨が使われているのかを示すものです(2021年規準)。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2021年決済通貨別輸出入」
上掲のとおり、韓国の「対日本輸出での決済通貨」は、
日本円:43.5%
です。これで円安が進むとどうなるかというと、受け取った円をウォンに換えた場合、以前より実入りが減るのです。
2020年03月10日の始値が「1円=11.7331ウォン」。2022年06月02日の終値が「1円=9.6245ウォン」です。
この2年余りで日本円は対ウォンで「18.0%」も安くなっています。
つまり、輸出して同じ金額を日本円で受け取っていても、ウォンに換えると2年前より18%も減少したことになります。
何もしなくても為替でこれだけ売上が下がってしまうのです。
対日輸出企業から悲鳴が上がるのは当然のことです。
「危機時の円も今は昔」などと韓国メディアが報じたりしますが、そんなことを喜んで日本をくさしている場合ではないのです。
円が対ウォンで安くなって、自国の対日輸出企業が困窮することになっているのですから。
日本で「悪い円安」と指摘する方がいらっしゃいますが、「韓国にとって悪い円安」でもあるのです。
(吉田ハンチング@dcp)