8回も会議を開催して、やっと決まりました。
2022年06月29日、韓国の最低賃金委員会は第8次全員会議を開催。労働者側と経営者側にの金額の差が「750ウォン」までにしか縮まらず、見解の相違を埋めることができませんでした。
経営者側:9,330ウォン(1.9%アップ)
双方の歩み寄りはこれが限界で、公益委員の仲裁案も双方から反発を食らってまとまらず。
最低賃金委員会は、経営者側委員、労働者側委員、公益委員、それぞれ9人ずつ、計27人で構成されていますが、まとまらない場合は、公益委員が金額を提示し、これに対して評決が行われます。
公益委員が最後に「9,620ウォン」を提示したところ、『全国民主労働組合総連盟』が怒って退席。
経営者側委員は評決を棄権。
仕方がないので、公益委員の9人と、労働者側委員での残った5人で賛否の投票を行い、可決しました。
夜明けまではかかりませんでしたが、またしても大もめでした。
とにかく、これにて韓国の2023年の最低賃金は9,620ウォンに決定。以下が、2017~2023年の韓国の最低賃金の推移です。
2023年の9,620ウォンは、2022年の9,160ウォンと比較して「5.0%」の上昇です。
よく抑えたといえるかもしれませんが、文在寅大統領が就任した2017年と比較して49%も上昇しています。ほぼ1.5倍になったのです。
生産性が1.5倍になったという話は全然聞きませんので、人を雇用している零細企業はより苦しくなるでしょう。
円安もあって東京、神奈川に次ぐ水準になった
2022年06月30日の円ウォンレート「1円 = 9.53ウォン」によれば、9,620ウォンは「1,009.44円」になります。
以下は、厚生労働省が公表している日本の最低賃金表の一部です。
⇒参照・引用元:『日本国 厚生労働省』公式サイト「地域別最低賃金の全国一覧」
円がウォンに対しても安くなっていますので、9,620ウォンは「1,000円」を超えるのです。
日本では、最低賃金が1,000円を超えているのは、
東京都:1,041円
神奈川県:1,040円
しかありません。つまり、韓国の最低賃金は東京・神奈川に次ぐ水準に上がったのです。労働者の皆さんは喜ばしいことかもしれませんが、経営者の皆さんはがっかりしているでしょう。
これでまた雇用が失われなければいいのですが……。
(吉田ハンチング@dcp)